ココアの味は。 (ページ14)

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赤side

赤｢別にええのに…｣

気がついたら2時間も話してた俺たちは、もう店閉めるから～、と濵ちゃんに追い出されて。

桃｢ええんです、俺が送りたいだけなんで｣

一人じゃ危ないからって、家まで送ってくれることに。

俺もう大人やで？

それでも、まだ小瀧と一緒におれることが素直に嬉しい。

桃｢あの、先輩って…あの日のこと覚えてますか？｣

あの日のこと。

きっと俺が告白した日のことやろう。

赤｢え、あぁ…うん…｣

桃｢あの時はほんとに、ごめんなさい…。俺、酷いこと…｣

まるで子犬が怒られた時のように、シュンと分かりやすく落ち込む小瀧。

赤｢き、気にせんで？もう終わったことやし…｣

自分の言ったことにチクリと胸が痛んで。

桃｢ありがとうございます…ずっと謝りたかったんです｣

気にせんで、なんて思ってるわけないやん。

終わったことになんてせんとって。

とか、自分勝手やな…。

赤｢ほんまに…大丈夫やから…｣

なんでこんなにも苦しいのか。

小瀧を好きになってしまったからあかんかってん。

赤｢大丈夫…｣

自分にそう言い聞かして。

必死に瞼が熱くなるのを堪えた。