2.ココアの味は。 (ページ5)

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桃side

何言ってんねん、とか

冗談やめろや、とか。

なにか言い返してくれると思ってたのに。

赤「っ…」

耳まで真っ赤にし、恥ずかしそうに視線を落とす。

桃「…先輩？」

何か言いかけては口を閉じてを繰り返すから言うんじゃなかったと後悔する。

桃「すみません、変なこと聞いちゃいましたね」

先輩からの返事はなし、

あぁ、やっとこっち向いてくれたと思ったのにたった一言で壊れてしまうものなのか。

桃「あ、の…レポートの手伝いありがとうございました！」

赤「…」

少し前の俺に言いたい、変なことは言うな、と。

桃「お、お会計しとくんで！すみません、先帰ります」

じわっと目頭が熱くなる。

自業自得やのにな。

この空気に耐えれんくて先輩のことを見れなくて

机に散らかったものを急いでリュックに詰め込んでいく。

泣いてるとこなんか見せたくない。

自分で招いた結果なんやから。

桃「…今日は、ありがとうございましたっ」

いまだに俯く先輩。

心がギュウ、と痛い。

桃「っ…、濵ちゃ〜ん、ごちそうさま〜」

さっさとここから出よう、と奥にいる濵ちゃんに声をかける。

もう、会えへんかも知れへんなぁ…。