2.ココアの味は。 (ページ22)

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桃side

「あ、小瀧〜！これお前のちゃうかった？」

昼休憩が終わり、移動教室まであしをすせめていると同じクラスの奴がペンケースを届けてくれた。

桃「え、そうやけど…」

ペンケースは確か、大毅の家に忘れてきたはず。

「あんな隅っこに落として、俺が見つけれて良かったけどさぁ」

大学内に落ちていた？

今度大毅ん家に行った時に取りに行くって話したとこやし、実際に忘れてったやろって写真も送られてきた。

桃「誰か持ってきてくれたとかやなくて、落ちてたん？」

「やからそうやって、踏まれる前で良かったやん」

おかしい。

話が合わない。

もしかして、と急いでメールを送るもきっと仕事中やから返信があるのは夜…。

何度か大学に流星達と来てくれたこともあるし、教育の研修会やらで授業を受けに来てたりもしたけど…。

桃「まさか、なぁ…」

手元に帰ってきたペンケースをジロっと睨む。

大毅に会える口実が無くなったやんけ…。

モヤモヤと謎に包まれたまま、授業など全く見に入らず気づけば終業のベルが鳴る。

桃「……あれ？」

ヴヴッ、とスマホからバイブ音が響く。

桃「濵ちゃんから？」

一通のメールが濵ちゃんから届いた。

紫『しげちゃん何とかしてくれへん？まだお日さん出てるねんけどー！！！！』

桃「は？」

大毅がカフェにいることは分かったけど、メールの内容が全くわからない。

まだお昼って…？

トンチキなメールを受け、とりあえず目の前に広がる板書を書き留めてから足を運ぶことにした。