2.ココアの味は。 (ページ17)

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赤side

緑「ほ、ほんまによかったぁあ…」

橙「よかったなぁ、ながかったなぁ…」

後日、大切な話があるといつものメンバーをカフェへ呼び出した。

もちろん貸し切りで。

赤「神ちゃんも淳太も泣きすぎやって…」

俺と小瀧が恋人になったことを伝えれば、グズグズ鼻を鳴らして泣いてる。

黄「ほんま長い片想いやったもんなぁ…」

青「好きになったらあかんって、毎日言うてたのになぁ…」

桃「えぇ〜、そんで？？」

一方こっちは、俺が片想いしていた間のことを楽しそうに小瀧に話しよる。

恥ずかしいからやめてくれ。

赤「も〜、泣き止んでや…」

こんな事になるなら言わなきゃよかった、と思うが

俺が今ここで小瀧の隣にいられるのも、みんなのおかげで。

赤「ほんま…、このカフェに出会えてよかった…」

紫「なんやのしんみりして〜！」

ボソッと呟いたつもりが、キッチンから帰ってきた濵ちゃんには聞こえてたようで。

紫「しげちゃん、おめでとさん」

スッと渡されたまだ温かいココア。

赤「ありがと…」

小瀧に可愛いって振り向いてもらいたくて飲み始めたココア。

口の中に甘ったるい味が苦手で、それでも頑張って飲んでた。

紫「あれ、飲めてるやん…」

なぜか今日はおいしくてコクコク飲めた。

何度濵ちゃんが改良を重ねてくれても苦手やったのに。

紫「すごいやん、しげちゃん！」

ココアを飲めたことを大袈裟なほど褒めてくる濵ちゃん。

桃「え…、」

ほら、小瀧こっち見たやん…。

桃「先輩、苦手やったのに…もう無理して飲まんでええねんで？」

赤「や、無理してはない…」

俺が無理して飲んだと思ってるのか、ほんまに？と何度も聞いてくる。

それがあまりにもしつこかったから、思わず心の声が漏れてしまった。

赤「小瀧との思い出の味なんやから、おいしく感じ、たん…」

目の前にはこれでもかと目を見開いて驚く小瀧と、なぜか照れ始めた神ちゃんたち。

赤「や、ちがっ…」

桃「あぁーもう！可愛すぎません！？」

みんなが見ているというのに、ぎゅうぎゅう抱きしめてくる。

赤「も、あほぉ！」