【SLAM DUNK】あなたが見つめる、あの子になりたい。2

＊season2-1 ページ43

仙「待って！あい！」

あいの細い腕を仙道の大きな手が掴む
そこから体に熱が広がる感覚･･


仙「帰るなら駅まで送るから、着替えてくるから待ってて、な？」

『･･でも、、』

言いかけたところで仙道が更衣室に入ってしまった。



･･どうしようと考えていると更衣室のドアが勢いよく開く
いないと思ったのか、仙先輩が私の姿を見てほっとしたのがわかった。


外に出るとヘルメットを渡された･･あの頃はなかったものに会ってない月日を感じさせられる


仙「怖いか？」

首を横にふるとしっかり捕まってろと言い私の手を自分のお腹に回させた。



走り出した後曇りだった空から雨が降りはじめた
結構な本降りになり仙道先輩が私に何かを伝えたけど雨音とヘルメットでよく聞こえない


しばらく走ると駅の方向ではないことに気がついた
･･この道知ってる。2人で何度も歩いた道、忘れるわけがない




･･引っ越してなかったんだ


仙「そんな格好じゃ電車乗せらんないから･･」

自分の格好を見ると体のラインがわかるくらいシャツが濡れていた;
･･前にもこんなことあったかも






部屋に入り懐かしさが込み上げてくる

仙道先輩の匂い、一緒に料理したキッチン、寄り添って寝たベッド・・あの頃と変わってない




仙「･･あい？･･泣いてる？」


『え･･あっ･･ごめん、なさ』


無意識に涙が頬を伝っていた。







涙を見た瞬間に仙道はあいを引き寄せて抱きしめた








仙「好きだ」




『ｯつ･･』





仙「好きで好きで、どーしよーもないくらいに･･あいのことが好きなんだ」






『･･わたしは、会いたくなかった･･』



仙「んじゃ何で泣いてんの？」



止まらない涙を仙道がぬぐい
あいの顔を覗き込んで顔をぐっと近づける
気づいた時には遅くて唇が重なっていた。


『んｯ･･ん･･』


体を動かして逃れようとしても力では全く敵いっこない
角度を変えて何度も何度も口づける



ようやく唇が離れお互い呼吸を整えながら視線が絡み合う




仙「･･会いたかっ･･た」



少し声が震えていた

あいの存在を確かめるように力一杯抱きしめるとあいの手も仙道の背中にまわる




『･･ほんとうは、ずっと･･あいたかったです』







会いたくないなんて嘘だよ･･

ずっとずっと会いたかったの・・

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