【SLAM DUNK】あなたが見つめる、あの子になりたい。2

＊14-3 ページ34

仙道side



里香ちゃんは俺を見るなり怪訝そうな顔に変わり明らかに不快感を露わにしていた。


里「･･何か用ですか？」


仙「あーうん。あいって今日学校来てる？」


少し里香ちゃんが驚いた顔をしたけどまたすぐさっきみたいな顔に戻った。


里「来てないです」


仙「俺も昨日合宿から帰ってきて、ずっとあいと連絡が取れないから今日会えると思ったんだけど」


里「･･本当に何も言わなかったんだ･･」


仙「え？」


はぁ〜と里香ちゃんはため息をついて俺をキッと睨みつける


里「あいはもう学校来ないですよ」


仙「･･どーゆうこと？」






里「あいはアメリカで両親と暮らすことにしたので

･･もう日本にいないです」




は？･･うそだろ？頭を殴られたような衝撃が走る
アメリカで暮らす･･って
動揺して言葉が出ない俺に里香ちゃんは言葉を続ける



里「･･忘れるって言ってました。･･だから何も言わずにアメリカに行ったんだと思います」



仙「忘れるって、そんな･･」



里「･･あいに何したんですか？あんなに傷つけて･･
すみません、私から言えることはもう何もないです」



里香は一礼して仙道の前を後にする



仙道は学校を出てあいの家に向かった

息が整わないままインターホンを押すがもちろん反応はない
反射的に携帯を出すが連絡つかないことを思い出す









出会った時はただ可愛いマネージャーが入ってきたとしか思ってなかった
でも俺の言葉でコロコロと表情が変わるところが可愛くて

自分のことわかってなくて隙もあるけど、ずっとまっすぐに俺のことを好きだと言ってくれた。




"行かないで"




あんなに涙いっぱいためて細い腕で必死に俺にしがみついてきたあいを･･最悪な方法で傷付けた






自分の前からいなくなって初めて大切さに気がつくなんて･･




あいごめん





こんなに好きなのに
なんでもっとちゃんと大切にできなかったんだろう









仙道はしばらくその場から動けずただ立ち尽くしかなかった。

＊14-4→←＊14-2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す