【SLAM DUNK】あなたが見つめる、あの子になりたい。2

＊14-1 ページ32

･･どれくらい時間がたっただろう


涙は枯れ待てど待てど仙道先輩は帰ってこない
ふと玄関の鏡を見ると涙で顔はぐちゃぐちゃ･･


力なく立ち上がりリビングに戻ると、冷たくなった食べかけの料理にこれから食べる予定だった力作のクリスマスケーキ
･･まるで時が止まったかのよう



時計を見ると0時を回っていた･･



『･･イルミネーションもう終わっちゃった』





仙道に振り払われた手を見て枯れたと思った涙がまたボロボロと溢れる

そのまま崩れ落ちて壁に寄りかかる








一睡も出来ずに朝を迎えた時

ーピンポーン

インターホンが鳴った。





あいは出ることなく力なく玄関の方をジッと見つめていたが次の瞬間手元にあった携帯の音が鳴り響く


着信＞＞＞仙道先輩


仙「あい？そこにいる･･？」





玄関前に立つ仙道にもあいの着信音が聞こえていた。










『帰って･･、、帰って･･帰って･･！』



あいは鳴り響く携帯を玄関めがけて投げつけた
床に叩きつけられた衝撃の音と同時に携帯が光を失い音が鳴り止む








何かの音を聞いた後、仙道はいつも笑顔でわがまま一つ言わないあいが自分に縋るように泣いて行かないでと懇願した姿を思い出していた。





思った時には遅く、あいは仙道を拒絶した。





仙「あい本当にごめん･･話をさせてほしい･･」






あいはただただ涙を流しそれに応えることはなかった。




仙「・・また来るから。。連絡もするから」














仙道はこの時、またあいに会えると思っていた。
ちゃんと説明して話をすれば許してもらえる


そんな甘い考えでいたことを

あの日玄関のドアが開くまであそこにいなかったことを
死ぬほど後悔することになるとはこの時思っていなかった。

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