(2) ページ8
・
桐山くんは気づくかな？
まぁ、どっちにしろ、もう嫌われたろうね。
だって、桐山くんはきっと、明るい子が好きなんだもの
・
・
「…ちゃん…！」
・
だから、桐山くんとは、今日できっぱりさようなら。
・
・
「Aちゃん！！」
・
・
・
…な、はずだったのに。
私の手首をつかんだのも、やっぱり桐山くんで。
・
『…何しに来たんですか。』
「“何しに”ちゃうやろ。
Aちゃん追っかけてきたんや。分かる？」
『…わかんない。』
もういいよってぐらいに大きな声で叫ぶから
そんじゃそこらの客引きよりも目立ってる
『…他の女の子たち、待ってますよ』
そう言って振りほどこうとするけれど、
男の人の力には到底かなわなくて
それどころか、腕をぐいと引っ張られ、
気づけば私は桐山くんに抱きしめられる形に。
『………っ…』
周りの視線が、痛い。
なのに、なぜだか、桐山くんの体温が、心臓の音が、心地いい…
「Aちゃんは、俺の事、キライ…？」
・
『………。』
輪の中に立って、女の子にちやほやされて、
そんな桐山くんは、だいきらいだ。
・
でも。
「みんなの前で話しかけんかったのは、
おさなりな態度で中途半端にしたくなかったから。」
『………。』
「それじゃ、言い訳…？」
わたしを、わたしだけを見つめて
ハの字の眉をさらに下げる桐山くんは―……
「それに俺、Aちゃん以外の子にドキドキしたことないで」
どこまでも強気で、まっすぐな桐山くんは――……
・
・
・
『やっぱり、キライ、です。』
・
“そっか”
桐山くんはちょっとだけ寂しそうに笑うと、
そのまま駅の方に歩き出す
『ちょっ、桐山くん、忘年会は…』
・
・
「…ほんまはさっきまで泣きそうやったくせに。」
桐山くんの、赤く染まった鼻先。
・
・
なんだよ…
全部バレてるじゃん…。
遠ざかる、街の声。
何も言わないままに握られた、私の手。
…くだらないのは、どっちだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 581人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スマイル - やばすぎます！最高です！これからも頑張ってください、応援してます！ (2017年3月5日 20時) (
レス) id: e5bbd18aec (このIDを非表示/違反報告)
重恋 - 淳太くんのドS彼氏お願いします！ (2016年8月3日 1時) (レス) id: e86bab1bd6 (このIDを非表示/違反報告)
藤井美月 - 感想遅くなってすみません！ 最高です！ ありがとうございます！ (2016年8月2日 15時) (レス) id: b188ce8a87 (このIDを非表示/違反報告)
りょうか - リクエストお願いします！神ちゃんに嫉妬されるやつがいいです。サブキャラでしげを出していただければ・・・あと名前あーりーからりょうかに変えました！ (2016年7月29日 11時) (レス) id: d9ed7a6b25 (このIDを非表示/違反報告)
ももピポ - リクで，照史くんで風邪をひいた彼女を看病するをお願いします! (2016年7月20日 7時) (レス) id: a25a154e75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おから
| 作成日時：2016年3月6日 22時
