鬼ごっこ ページ34
外はこんなに寒いのに
どうしてあのワンピースを?
人がごった返してる市場を
オンニがいる方向へ走る。
もう数十メートルというときだった。
ゆっくりと振り返る。
目があった瞬間、オンニは一瞬驚き
顔を伏せた。
…え?何で?
どんどん近づくと、あの頃より
やつれた顔、やせた身体。
そして何より光のない瞳。
私はそばへ駆け寄ると、
急いで手を動かした。
オンニ会いたかった!!
逃げ切れたのね!?
今まで寂しかった…
「逃げて。」
オンニ?
「早く逃げて。」
なんで逃げる必要があるの?
もう私たち自由なはずでしょ?
オンニの手首には見たことない
腕輪が付いていた。
「Aー!」
遠くでミョンスが私を探してる。
そうだ。みんなに会わせたい。
オンニ?
私が今一緒に住んでる人たちに会おう!
「無理よ。お願い…どこかに行って。」
さっきからずっと小声で話すオンニ。
身体は震えて、すごく苦しそうだ。
足音が近づく。
あぁ、ミョンスが来てくれたのかな。
「A」
それはミョンスでもウヒョンさんでも
ない声だった。
「随分と久しく聞いてない名前だねぇ。
鬼ごっこは楽しかったかい?
…A」
名前を呼ばれた瞬間、心臓が暴れだす。
呼吸の仕方もわからない。
冬だというのに、背中には汗が伝う。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
「親戚の顔を忘れた訳じゃないだろう?
ほら、さっさと顔を見せな。」
振り向くと、おばさんがいた。
私を閉じ込めて真っ黒い世界に引きずり込んだ張本人。
もう二度と会うことは無いと信じてたのに。
何で
ねぇ何で?
足が動かない
もう、座り込んでしまいそうだ。
オンニ、逃げよう!!!
あの光景が脳裏をよぎる。
もう大切な人と離ればなれは嫌だ。
「お願いです。
この子だけは見逃してください。」
オンニ駄目だよ!
それじゃまたあの時と同じだよ?
「何言ってんだい!
こいつがいなくなって、うちの売上げが
どれほど落ちたと思ってんだ。
さぁ、帰るよ!
あんたの居場所はあの地下の部屋だ。」
同時に、腕を掴まれる。
逃げなきゃ…
分かってるのに、抵抗できない。
振り払いたくても力が入らない。
助けて…
ミョンス助けて!!
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おかぴ(プロフ) - ｷﾑｷﾑさん» キムキムさん返信遅くなりすいません!!ありがとうございます (2016年7月17日 22時) (
レス) id: 3c34c8cfdb (このIDを非表示/違反報告)
ｷﾑｷﾑ - これ面白いです！号泣しました！鳥肌でしたよ！ (2016年6月5日 0時) (レス) id: ab3a3caa63 (このIDを非表示/違反報告)
おかぴ(プロフ) - まさん» まさん、ありがとうございます!!更新がんばります (2015年12月27日 17時) (レス) id: 338e63468e (このIDを非表示/違反報告)
ま - 号泣です……σ(´・д・｀) (2015年12月1日 0時) (レス) id: 9d5f231e06 (このIDを非表示/違反報告)
おかぴ(プロフ) - ほやぼーやさん» ほやぼーやさん、ありがとうございます!!暖かいコメント励みになります＾＾ (2015年9月16日 17時) (レス) id: 338e63468e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おかぴ | 作成日時：2015年2月9日 10時
