サクラと、羽と、 5 (ページ46)

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Episode240 ページ46

「よかったー、見つかって」

「どうした？」

その子は少し息を整えつつ、にっと笑った。

「櫻井くんってさ、今日のフォークダンス、パートナーって決まってる？」

「ああ、いや」

うちの学校にはちょっと不思議な伝統があって、体育祭とかではなく、文化祭のラストに高3のフォークダンスがある。

そして、そのフォークダンスは少し変わっていて、最初はみんなと交代しながら踊るけど、終盤はそれぞれパートナーを決め、踊る、という形なんだ。

なぜかは俺も全く知らない。

「よかったら、私と踊らない？」

その子の提案に俺はキョトンとする。

「なんで俺？」

それを見た彼女はクスクスと笑う。

「鈍いなぁ。…文化祭ダンスのジンクス知らないの？」

「ジンクス？」

「そ。曲が終わる瞬間に一緒に踊ってた人と結ばれる、っていうやつ」

「…え、…え？」