サクラと、羽と、 5 (ページ21)

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Episode215 ページ21

胸が、ザワザワした。

「気になるって…」

「いや、…ぶっちゃけ、……かなりイケてない？可愛いし」

…どくん。

俺は顔色を変えないように必死だった。

「いい子だしさ」

「そ、そうかな」

「そうだよ？今日だって俺らのためにあいつずっと走り回ってたぜ？」

そいつはそう言って、潤のことをじ、と見つめた。

「…そっか…？」

「もー、ちゃんと見ててやれよ。…でさ？さくしょー、あいつと仲良さそうだから…どういう関係なのかなって」

どうしよう…。

俺のだって言いたい。

俺のだから、駄目だって。

でも…「僕達、付き合ってるんです」

…え？

目を泳がせていた俺は、その声にはっと顔上げる。

見ると、隣のやつの目の前にかがみ、笑顔を見せながらはっきりと言い放つ潤が居た。

「えっ…」

やつは、潤と俺を交互に見てから、罰が悪そうに笑った。

「なんだよ、まじか……それならそうと言ってくれよ、さくしょー」