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Episode212 ページ18
まじかよ…。
思わずにやけていると、潤は、にやけてる、と腕にしがみついたまま上目遣いで俺を見つめて笑う。
「…俺らずっと両想いだったの？」
「みたいだね、ふふ…」
潤は嬉しそうに微笑んで、俺に凭れたまま目を閉じる。
俺はそんな潤の頭に自分の頭を寄せて目を閉じた。
夏の爽やかな風が、俺達を包む。
聞こえてくるのはサワサワという木々が風に揺れる音と、鳥の声。
まるで、この世界にふたりきりみたいな。
不思議で、幸せな時間だった。
隣には大好きな人がいて。
その人と両想いで。
幸せすぎたんだ。
そして疑わなかった。
こんな日常がいつまでも続くと信じて、疑わなかった。
当たり前、がどんなに脆くて儚いものか。
この頃の俺はまだ知らなかったんだ。
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作者名：くるみ
| 作者ホームページ：http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=20000726
作成日時：2024年3月24日 23時
