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Episode211 ページ17
「ねぇ、…ここで初めて会ったときって…あの、幼稚園のときの？」
ふたりで公園のベンチに腰掛けると、潤のほうが先に口を開いた。
「え、そこ掘り返す？」
そう言うと、掘り返す！と笑う潤。
俺は笑ってクシャッと潤の頭を撫でる。
「そうだよ、あの時。めちゃくちゃ可愛い子が泣いてるって思ったんだよ。女の子だと思った」
「ええ」
「泣きやませたくって仕方なくて、必死だったなあ…」
そう言って思い出すように遠くを見つめると、ぎゅ、と腕にしがみつかれる。
「…あのね。俺もなんだ」
「え？」
「…あの時、俺…初めてお父さんから殴られてさ…痛くて仕方なくて、逃げてきたんだ、ここに。…そしたら、翔くんが来た。…俺のこと、泣きやませようってしてくれて。かっこいいお兄さんだなって思ったんだ」
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作者名：くるみ
| 作者ホームページ：http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=20000726
作成日時：2024年3月24日 23時
