. ページ5
Ryohei
ふっかから夜中に連絡があって、翔太が家で吐いちゃったって。
たまたま夜勤だったから急いで準備したら少しして入ってきた見慣れた車。
後部座席でぐったりしてる翔太を処置室運んで、
ここに出して良いよって容器あてても中々吐けないみたいで苦しそう。
辰「まだ気持ち悪いらしいけど、もう吐くもの無いみたい。結構戻しちゃってたから…」
「脱水怖いから点滴落として、水飲んで吐かせよっか。出せないのも辛いから。」
出すものないのに気持ち悪さが残ってるのが多分一番辛い。
そう思って少し水飲ませてみたけど数秒後には背中が波打っちゃって、
全部出しちゃうし血も混ざってるしって状態。
胃が何にも受け付けなくなっちゃってるみたいで翔太もかなりダメージ受けてるなこれ。
「今気持ち悪いの失くすお薬入れるから。少し楽になったら検査しようね。」
とりあえず制吐剤を繋いだら何とか気持ち悪さは落ち着いたみたいで、今度はウトウト。
これから胃カメラなんだけど…
寝てても良いけど、翔太絶対起きるじゃん。
「眠いと思うけど、今から胃カメラ入れさせて。すぐ検査したいから。」
若干ぐずり気味でやだぁって言ってるけどそれで辞められるものじゃない。
辰「大丈夫大丈夫、阿部ちゃん上手だからね。」
なんかふっかがプレッシャーかけてきたけど、まあ出来る限り苦しくないように。
「ゆっくり息しててね。少し苦しいけど我慢だよ。」
涙目の翔太の呼吸に合わせてゆっくり入れていくと、やっぱり少し胃の表面が荒れている。
出血はここからだな。
必要な処置をぱぱっと終えて、泣き疲れて寝ちゃった翔太を病棟に運んだら、
夜中だけど俺はふっかと照と少しお話し。
ふっかは多分気がついてるけど、一回戻しちゃった位であんなに胃が荒れるとは考えにくくて、
そうなると必然的に結論は一つ。
照も背負った時に気付いたみたいだし、朝になったら本人に事情聴取だな。
落ち込み気味なふっかを支えながら残りの仕事をこなして、
起きた時間を見計らってお話しタイム。
翔太は起きて俺達の顔見た瞬間目がうるうるしてるし、何言われるかは分かってるかな。
「翔太、正直に答えてね。
吐いちゃったの、ここ最近で初めてじゃないよね?」
聞いた瞬間、ダムが決壊したみたいにごめんなさいぃぃって泣き出しちゃった翔太。
やっぱり俺達の予想は当たってたみたいだね。
1687人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りる | 作成日時:2022年3月15日 0時