Snow brothers.3 (ページ40)

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Tatsuya

医「酷いねこれ、がっつり足からいったでしょ。」

痛みに大絶叫してる蓮を車に乗せて急いで病院行って診て貰ったけど相当痛そうで、

先生もそっと触ってくれてるけど触診される度に隣で叫んでるから鼓膜破れそう。

それ位痛いってことなんだけどさ。

幸いにも骨には異常無しで表面が擦れて腫れてるだけみたいなんだけど、

接地面が全面的に擦り傷になっちゃってて本当に痛そう。

こんな触られるだけで絶叫、何にもしてなくても痛い位なのに、義足つけて体重かけるなんて出来るわけなくて、

先生からも、腫れが引くまで暫く義足つけないでねって。

蓮は言われなくても無理!って言ってたけどね。

蓮「腫れ引くのってどれ位ですか…？それまで片足？」

医「2週間位かなあ、それまでは杖つくしか無いね。」

義足が履ける様になるまで、松葉杖。

家の中では外してることも多いし、俺達は見慣れてるから何にも思わないけれど、

蓮は年頃の高校生。

周りからの目が特に気になるのは当たり前のことだし、

片足で松葉杖ついてたらすれ違う度に二度見されるだろうなってことも簡単に想像できる。

それが相当苦しいことも。

医「個人的には暫く学校休むのもアリだと思うよ、これじゃ通うの大変だし。家で勉強したら？」

先生に言われたことに蓮は黙って口をつぐんで、下向いて。

自分の中で一杯悩んでんだろうなって感じ。

頭はあんまり良くないけど、とにかくまっすぐで真面目な蓮だから、

これで学校休んで良いのか迷ってんのかな。

でも人の目も気になるだろうし、色々あるのも分かってるから、

兄としては、蓮が辛くない様に暫く休んでも良いと実は俺は思ってる。

「きつかったら、休んで良いんだからね。」

家帰って来てもずっと悩み続けてる蓮に気の利いたことも言ってあげられず、

取り敢えず休んでも良いよってことだけ。

小さい声で返事した蓮は、片足のままこっちを向くことも無く自分の部屋に消えて行った。