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Hikaru







昨日は一日ずっと穏やかに眠れてたみたいだけど、


今日の翔太はぐずぐず気味で少ししんどそう。




息しやすい様にリクライニングを上げたベッドにぐったりもたれかかってテレビ見てるけど、


一時間に何回か、苦しそうに咳き込む音が聞こえてくる。









翔「ゲホッゲホッ、、、はぁ、ゲホッうぅ……」







ほら、今も又。




息苦しそうに胸を抑えて咳してるのを朝から何回も見てるけど、心配な気持ちは何回経っても少しも変わらない。






「頑張れ頑張れ、深呼吸。ゆっくり吸って、はい吐いて。焦んないでゆっくりね。」







少しでも楽になれる様に、水飲ませて胸や背中を擦る。



照の手はおっきくて気持ちいいって前に翔太が言ってくれたし、早く良くなるように思いを込めて。




中々に手強くて長引いてるし、朝よりぜーぜー気味で心臓もばくばくしてる感じがするけど、


でもそれも翔太が一生懸命生きてる証拠。







「今酸素量上げたからね。もう大丈夫だよ。」






苦しそうな時は酸素量増やして様子見てって辰哉に言われてたから、


量を上げてあげて胸や背中を擦って声をかけ続けて。





暫くしたら、漸く少し良くなってくれたかな。





急に力が抜けて、こてんと寄りかかってきたから一瞬びっくりしたけど、


気持ち良さそうにすーすー息してるし、疲れて寝ちゃっただけみたい。



心臓もばくばくしてたのが治まってちゃんと規則的に動いてるし大丈夫そう。



ベッドにそっと寝かせて、厚めの毛布かけ直した頃にはもうすっかり爆睡してた。










.










翔「んぅ……トイレ……」




「歩けそう?車椅子乗る??」







少ししてトイレ行くって起きてきた翔太に、歩くのしんどいかなって聞いてみたら、


俺の服の端を握ってクイクイ。





これだけで何して欲しいかすぐ分かったから、



仰せのままにってベッドに背を向けてしゃがんだら、もそもそ動いた翔太がぽすっと背中に収まる。






「動くからね。落ちないでよ。」






本当は酸素チューブ引きずってる時は抱っこの方が危なくないんだけど、


それは恥ずかしいみたいだし、翔太位なら片手で支えられるから大丈夫。




いつか照を倒す!って前言ってたけど、今は本当に細くて軽い翔太だから、



もっと丈夫になって、いつか本当に倒してくれたら嬉しいんだけどね。




今じゃ軽い筋トレにもならない位だし。

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作者名:りる | 作成日時:2022年3月15日 0時

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