Snow brothers.3 (ページ34)

今日:15 hit、昨日:30 hit、合計:310,262 hit

. ページ34

Tatsuya

阿「息苦しさと鈍痛と微熱ねぇ……どうするかなぁ……」

診察しながら阿部ちゃんも迷ってるのが目に見えて、どうするのか俺もそわそわ。

阿部ちゃんも何だかんだ翔太に甘いから、出来るだけ希望に添おうと葛藤してくれてるのが分かる。

阿「もう一回音聞かせて。採血も採ろう。点滴で少し良くなってる感じある？」

翔「大分……寝たら治ったから大丈夫。」

阿「でもなぁ…まだちょっとぜーぜーしてるんだよねぇ……エコーするから服捲って、もう少し考えさせてね。」

診察して、幾つか検査も色々やっても、

全部微妙なラインで阿部ちゃんはずっと苦い顔。

今だって眉間に皺寄せてモニター凝視して、ものすごく迷ってくれている。

阿「今は心臓はそうでも無いから、大きい発作は起きそうな感じはしないけど……でも昨日頻脈出てるんだよねぇ……

採血も悪くは無いけど血圧は低いし……あ～どうしよぉ…」

「ちなみにだけど向こう一週間、上三人誰かしらは家にいられるよ。ちなみにだけどね。」

パンクしそうな位まで阿部ちゃん迷ってるし、いい加減翔太も不安そうだから、横からこっそり助け船。

在宅でも面倒見れる人はいるよってことをさりげなくアピールしてみたら、少し効いたのか、

検査結果みながらひたすら悩んでた阿部ちゃんがぱっとこっちに向き直る。

阿「翔太、先生の目見て。どうする？お家帰りたい？」

翔「んっ…帰りたい……帰る………」

阿「具合悪いの我慢しないこと、酸素外さないで安静にしてること、一週間で良くならなかったら入院すること。

絶対全部守れる？約束できる？翔太のこと信じて平気？」

翔「守る、約束する。」

いつになく真剣な顔で、翔太と約束した阿部ちゃん。

少し考えて大きな息をついたら、いつもの笑顔に戻って、

阿「分かった、じゃあ今日は点滴終ったら帰って良いよ。お大事に、ゆっくりしててね。」

翔太のことを信じて、希望を叶えてくれた。

阿「ふっか、ちょっと大変かもしれないけど後頼んだよ。極力誰かがついてる様にして。

明後日かその次の日位に一旦診るからそこで酷くなってたら又考えよう。」

色々条件はあるし、俺達も大変じゃない訳じゃないけど、

それでも翔太が少し見せてくれた笑顔には変えられない。

どんな形であれ一緒に帰れることは、翔太にとっても俺達にとっても嬉しいことだしね。