Snow brothers.3 (ページ29)

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Tatsuya

「翔太起きて。寝るなら薬飲んでから寝るよ。」

ちょっと時間かかっちゃったから戻って来た時翔太は既にうとうと。

思わずつきかけた溜め息を堪えて、とりあえず起こして食べさせる。

「だるいと食欲無いと思うけど少しはお腹に入れて。薬飲まないとだから。」

翔「、、、んぅ…もういらない…」

「もう少しだけ。食べて薬飲んだら寝て良いから。」

すっきりしないだるい感じが続いてるみたいで、食欲皆無の翔太は一口でギブアップ。

さすがにこれで薬飲ませるのは胃に良くないから、もうちょっともうちょっとって掬ってあげて、

何とかご機嫌とりながら食べさせる。

ただ普段はなんてことないこれ位のことでも、今の俺にはちょっときつくて、

手に持ってるスプーンがぐにゃぐにゃ。

視界も段々回って来るし、頭ももっと痛いし。

さっさと翔太に食べて貰って俺も早く横になりたいのが本音だけど、具合悪い弟の前でそんなこと言えるはず無く、

努めてイライラしない様に、いつも通りを保つ。

翔「もっ、、、無理……寝る……」

「はい、まぁ良いよ。薬飲んで寝てな。」

三分の一位は食べれたからギリギリ合格。

薬飲ませたら翔太はあっという間にむにゃむにゃして一瞬で眠りについていって、

眺めてるだけでつられそう。

本当に気持ち良さそうに寝てるし、俺もなんだか頭が段々ぼーっとしてくるし、

握ってた翔太の手も暖かくてぽかぽか赤ちゃん体温。

疲労と不調にこれだけの条件が揃ったら当たり前におそってくる眠気に逆らえる訳なんて無く、

せめて自分の部屋で寝ようなんてことも頭からすっかり飛んでいって。

気づいたら吸い込まれる様に翔太のベッドの端っこに突っ伏して目を閉じていた。