Snow brothers.3 (ページ22)

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Shota

あれは夢だって分かってんのに、なんかすごい怖く感じる。

いつもより絶対厳しい。

声のトーンとか、雰囲気とか、何もかも柔らかい感じじゃなくてまだずっと怒ってる感じ。

このままだったらマジで嫌われて見捨てられそうだから迷惑かけないように、

もっともっと頑張んなきゃって心が必死だった。

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頑張んなきゃいけない時に限って、ご飯が最悪。

嫌いなものしか無いけど、でも残したらもっと呆れられるから。

今より恐い先生になったりしたらその方が地獄だしって、何とかだるいの堪えて口に入れる。

まだ熱あるからかぽやぽやしてて、座ってるのもきついから寄っかかりながら、

でも何とか手は止めない様に。

そうやって頑張って食べてたら先生達が入って来たけど、やっぱりいつもより優しくなくて、

勝手に追い詰められてる感じがする。

野菜ばっかのご飯食べたらしつこい位たくさん褒めてくれるはずなのに、

普段は恥ずかしい癖に、こういう時はいつもの先生じゃないと不安になってばっか。

他のことももっと頑張んないと本気で終わりそうで、又心が焦っていった。

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ご飯何とか食べ切って休憩してたのも束の間。

先生と康二が部屋に入ってきて、心臓がどきどき。

ほぼ毎日会ってるのに今に限っては緊張がやばい。

阿「もしもしするから服開けて、深呼吸。

…………はい、オッケー。ちょっと早いけど問題ないね。」

言葉自体はいつも通りあざと目だし、聴診器あっためてから当ててくれるのも先生の優しさなんだけど、

でも何か恐いし、何より康二が持ってるのがさっきからチラチラ見えてもっとどきどき。

あんなぶっとい針………必要な薬なのは分かってるけど、軽くいじめレベルだって。

絶対痛いし、やりたく無さすぎで既に泣きそう。

阿「はい、腕出して。危ないから動かないでよ。」

でもどんどん進めてく先生の目を見たら嫌だなんて言い出せる訳無いし、愚図ったら又呆れられるから、

言われた通り動かないで迷惑かけないようにしないと。

だから痛くて怖くて勝手にジワジワ視界が歪んでくる位マジで地獄だったけど、最後まで何とか頑張った。

阿「はい、おしまい。調子悪くなったら言ってね。」

それでも先生は相変わらずで、

これ位当たり前、別に普通だからね。って心の声が聞こえた様な気がした。