. ページ18
Ryohei
夕方頃に様子見に行ったら、丁度起きてた翔太。
まだ見るからにぽやぽやホカホカしてるから熱はあるみたいだけど、
まぁさっき高熱だったから当たり前か。
「起きた?体調どう??」
翔「もう、大丈夫……。」
「そっか。大丈夫なら先生とお話ししようね。」
まだ熱あるからどうしようかと思ったけど、本人の口から大丈夫って言ってるから、
そのままお話しという名の軽いお説教。
翔太も怒られるの多分分かってて、ちょっとしゅんとしてるけど、
大事なことだから言わない訳にはいかない。
「いつから熱あったの?朝から??」
翔「…き……の、あ…から………」
「聞こえない。もうちょっとはっきり言って。」
翔「……昨日の、朝から……」
今日の朝からどころか昨日から熱あったのを誤魔化してたって、想像以上に長い。
昨日忙しくて気付けなかったのは申し訳無いけど、不調を感じた時点ですぐに言ってくれないと。
「調子悪い時はちゃんと言ってってもう何回も話してるよね?何で又隠した??」
翔「退院、無くなるから…皆にも迷惑かける…」
「じゃあ熱出てるの隠したり、発作起こしたの黙ってて良いんだっけ?違うよね??」
もう翔太の目からぽろぽろ涙が溢れて来ちゃってたけど、
ここで俺が折れて、じゃあ良いよって許してあげちゃうのは違うから。
心を鬼にして、翔太の為に言わなきゃいけないことはしっかり言わせて貰う。
「隠さない、無理しない、我慢しない。もう何回も言ってるんだから、ちゃんと守って。」
泣きながらでもコクコク頷いてくれたけど、果たしていつまで守ってくれるか。
正直こういうこと何回目か分かんない位やって、俺もその度に注意してきてるのに、
いい加減守ってくれない、自分から言い出さない翔太に半ば呆れ始めていた。
「分かってると思うけど、退院延ばすからね。言うこと聞かずに隠して酷くなったんだから自業自得だよ。」
ちょっとキツイ言い方にはなったかもしれないけど、
元々思ってたより調子が上がらなくて微妙なラインだったから、今回のが決め手に退院は延期。
少し痛い目を見て反省して、次はもうしないでねって意味を込めて厳し目に言っておく。
思いの他ぼろぼろ泣かせちゃったのは心苦しかったけど、
それも翔太の為だと思って、後は康二に任せて俺は部屋を出た。
1687人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:りる | 作成日時:2022年3月15日 0時