Snow brothers.3 (ページ13)

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Ren

思いがけない所で聞いた馴染んだ名前。

絶対一緒にサッカー選手になろうって、

そう約束した原が、順調に夢に近づいている。

その事実をテレビからいきなり聞かされて、

自分でもよく分からない気持ちで一杯になった。

友達の夢が叶おうとしてるなんて、喜ばなきゃいけないことなんだろうけど、

中々そんな気持ちにもなり切れなくて。

勿論原がこれまでたくさんの努力をした上で今があるのは分かっているし、

あいつにはセンスも才能もあった。

でも正直、サッカーやってた頃は俺だって負けてなかったと思う。

周りからも良いライバルだねって言われてたし、自分でもそう思ってやってた。

俺だって事故に遭わなきゃ原と同じか、それ以上までいけてたかもしれないって、

落ち込んでも仕方ないからなるべく考えない様にしてたことまで嫌でも考える。

俺何にも悪いことしてないのに、何でずっと一緒だった原だけが?

思っちゃいけないとこまで考えちゃって、そんな自分も又嫌いになって、

お昼作ってくれた大介君に思ってることぶつけても、涙が止まらなくなる。

それに、原はサッカー辞めてから何にも言ってくれなくて、

あれ以来初めて聞いたのが今日の名前。

俺からも一切メールとかしてなかったけど、日本代表のことなんて少しも言ってくれてなかった。

それ自体がショックだったのかどうか、今になったらよく分かんないけど、

逆に気使われてる感じがして、余計に落ち込んだ。

原から言って来たらもっと嫌だったのかもしれないけど、こんな形で知ったのもショックで、

もうなんか、全然分かんない。

大「原君だってきっと言えなかったんだよ。蓮のこと大事に思ってくれてると思うよ。」

大介君に言われたことだって、ちゃんと理解してる。

もし俺が逆の立場だったら、多分同じ様にタイミング逃して言えないまま離れてくと思うから。
　

でもやっぱりテレビからいきなり聞かされたのがすごく複雑だったのも事実。

どうして欲しかったのかは自分でもちゃんと分かってないけど、

もう一生元の関係には戻れない気がして。

話聞いてくれた大介君に全部思ってることぶつけて、

久々にボロボロになるまで子供みたいに泣きまくった。