Snow brothers. (ページ46)

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伸ばした手の先ページ46

Daisuke

夜、皆がそれぞれの部屋に行った頃。

時間は11時を過ぎた頃だけど、まだ一人帰って来てすらいない人が。

最近忙しそうだからなって思ってたら、こんな時間に家の電話が鳴った。

阿「もしもし?夜遅くにごめんね、ちょっと迎え来れない?」

電話の正体は阿部ちゃんで、今から病院来て欲しいって。

確かに遅い時間ではあるけど、俺は今仕事落ち着いてるから明日も遅くて大丈夫。

照になんかあったら頼んだってお願いして、

頑張りすぎてる家の長男を迎えに、夜の住宅街に車を走らせた。

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こんな時に、一応免許取ってて良かったなぁって思う。

普段の運転は照がしてくれることが多いけど、明日学校だったし。

たまにしか出動はしないけど、今日はその貴重な日だなって、

そんなことを考えながら運転してると、あっという間に目的地に。

翔太は勿論、大きい総合病院だから兄弟皆お世話になってるこの場所が、

我が家の長男の職場。

帰り支度を終えた阿部ちゃんが入り口で待っててくれて、

こっちだよ～って休憩室に案内してくれた。

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阿「最近忙しかったからね。ちょっと疲れが溜まってるてるみたい。」

貧血と低血圧でふらふらした挙句、眼鏡落として踏んで割っちゃった上に、

予備の眼鏡は家にしか無いし、最近ものもらいでコンタクト入れられないしって、

中々に散々な要因が積み重なって呼び出しに至ったらしい。

普通に見えて眼鏡してないと自分で伸ばした手の先だって見えないんだから、

体調悪そうな中裸眼で夜道一人で歩かせるなんて危ないことさせられない。

阿部ちゃんはそれをちゃんと分かってくれてるから、わざわざ呼び出してくれて、

帰る準備終わってるのに俺が来るまで待っててくれたって、ほんとにありがたい。

阿「ふっか～……寝てるか。起きるの待つか起こすかして帰ってね。」

「了解!阿部ちゃんありがと。」

阿「いえいえ～、明日休みだからしっかり休んでって言っておいて。」

じゃあお休み～って帰ってく阿部ちゃんを見送って、向き直ったら未だ爆睡。

ほんとは早く帰ろうと思ってたけど、もうちょっと寝かせようかな。

顔白くて体調悪いのすぐに分かったし、

思い返せば最近家で寝てるとこ見て無い位忙しそうだったから。