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Shota





遠くから心電図の音が聞こえてきたら、手があったかい感じがしてきて、



何となく握り返したら、聞こえたら目開けて〜って声が。



その声に引っ張られるように目開けたら、心配そうな辰兄の顔が目の前に広がって、



又倒れたんだっけって、ぼんやり思い出した。





阿部がすぐに来て口に入ってた管抜いてくれたけど、咳止まらなくてマジ苦しい。



でも辰兄が背中擦りながら、2週間も寝てたんだから苦しいに決まってるよって言ってて、


そんな寝てたのって、記憶無い分正直めちゃめちゃびっくりした。







.







倒れる前の最後の記憶は蓮の試合見に行ったとこだったから、


どうやって病院戻って来たかも全然分かんなかったけど、何があったか全部辰兄が教えてくれて。


俺そんな無茶してたんだって、我ながら呆れる位。



すぐに居場所がバレて、先生が急いで連れ戻しに来てくれて、



その場で蘇生処置やってくれたから助かったって。




阿部ちゃん来るのもうちょっと遅かったら本当に死んでたよって言われて、


そんな大事になってたんだって又びっくり。






辰「本当に心配したから。もう絶対やらないで。



蓮のこと考えてくれたのは分かってるし、行けなかった罪悪感があるのも分かるけど、


お願いだからもっと自分大事にして。」





自分の命危険に晒してまでやることは、ほんとの意味での優しさじゃないって。



蓮にも今回、結果的に誰も行けないことより辛い思いさせちゃったから、



無理やりじゃなくて、早く元気になる為に我慢して欲しかったって言われて、



さすがにやりすぎたなって反省。




反抗する時も多いし、兄ちゃん達にも病院の人達にも迷惑ばっかかけてるけど、



そんな俺でも皆本気で心配してくれたから、



その人達の為にも絶対もうあんなことしないって辰兄と約束した。




誘ったのは俺だから蓮は怒らないでって言ったけど、


寝てる間にもう照にこってり絞られたらしく、もう絶対しないって泣いてたって。




俺もその後、先生とか康二にしっかり怒られて、


体も結構辛いし全然退院出来ないしって、散々痛い目見て、


やらかす前よりちょっと良い子になった位の時期に、予定より大分遅れて退院。








次の目標は、来週の蓮の試合。



辛い思いさせちゃった分出来る限り頑張るって決めて、ちゃんと元気になったら行くからって。



又、蓮と男同士の約束をした。








fin.

伸ばした手の先→←.



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作者名:りる | 作成日時:2021年7月11日 19時

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