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Ryota
何となく近くに誰かいる様な、
部屋で人が動いてる風を感じて夜中に目が覚めた。
パッと隣見たらどこかに電話してる大兄がいて、
丁度タオルケットごと包まれた翔太を照が抱いて部屋を出ていく所。
具合悪くなったんだってことはすぐに分かって、
気が付いてあげられなかったんだなって落ち込む。
俺が気付かなかったせいで、翔太は又苦しい思いをしたのかなって。
そう思ったらいても経ってもいられなくて、
補聴器掴んで下の部屋に急いだ。
.
辰「翔太〜もう大丈夫だから。すぐ救急車来るからね。ゆっくり息して。」
階段降りながら補聴器つければすぐに音は入って来て、
若干焦ってる辰兄の声が聞こえてくる。
「……翔太?ごめん、大丈夫??」
部屋の真ん中で横になっている翔太は、思っていたよりずっと辛そうで、
兄ちゃん達が背中とか胸とか擦って声かけてるけど返事はないし、
酸素つけてるのに唇が紫になっちゃってて、
結構大変な状態なんだって。
そう思い知らされて、つい泣きそうになる。
ここまで酷くなる前に気付けたら良かったのにって聞こえない耳を恨んで、
もしこのまま翔太が…って最悪なことまで考えちゃって。
俺のせいで取り返しのつかないことになったらって不安で一杯。
救急車来るまでの時間がものすごく長く感じた。
.
サイレンの音がどんどん近づいて来て家の前で止まったら、
直ぐに救急隊の人がバタバタ部屋に入って来て、
担架に乗せられた翔太が運ばれて行く。
俺も一緒に行くって言ったけど…
辰「俺が行くから涼太は家にいて、周りが落ち着いてないとダメだから。
大介後で荷物持ってきて、照涼太頼んだ。」
それだけ言われて、反論の余地も無いまま。
何にも出来ないまま、深夜の住宅街に消えていく救急車を見送った。
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作者名:りる | 作成日時:2021年7月11日 19時