Snow brothers. (ページ30)

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Tatsuya

真夜中、ビービー鳴り響くコールで飛び起きる。

普段起きるのは得意じゃないけど、

こういう時はほんとに早くしなきゃいけないから、本能的にすぐ起きられる。

翔太は我慢しがちで、コール押してきた時には結構大変なことになっていることも。

だから早く行ってあげないとって、大慌てで必要なもの引っ掴んで廊下に飛び出せば、

大介もほぼ同時に向かいの部屋から出て来る。

2人で一瞬目を見合わせて、やっぱコール鳴ったよなって確認し合って、

急いで双子の部屋へ向かった。

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扉を開けると聞こえてくるのは、いつもより焦りを含んだ照の声。

「翔太、どうした?発作??」

照「俺が押した。意識無いっぽい。」

マジか…やばいじゃん。

翔太はベッドの上で目を閉じていて、声かけに反応が無い。

一見寝てる様にも見えるけど、顔色も悪いし唇は真っ青。

心音も明らかに不規則だし、呼吸は弱すぎてチアノーゼまで出てきてて、

正直、かなりやばい。

「とりあえず照下運んで酸素、大介急いで救急車呼んで。荷物の準備も。」

指示出したら2人ともすぐに動き出してくれる。

良くも悪くも、翔太の急変には慣れちゃってるからね。

昨日見た時から減ってるから薬はもう飲んでるはず。

薬飲んでこれならもう家で対応できる段階じゃないから、早く病院行かないと。

翔太の体が冷えない様にタオルケットで包んで、照が抱えて下に運ぶ。

「翔太～もう大丈夫だから。すぐ救急車来るからね。ゆっくり息して。」

目の前で必死に浅い呼吸を繰り返す翔太。

今まで何十回も見てきて対応には慣れても、苦しそうな姿には慣れることなんか無くて、

毎回ほんとに心配になる。

少しでも楽に呼吸出来る様に体を支えて、酸素つけて胸を擦ってあげること位しか出来ないけど、

何とか救急車来るまでこれ以上悪化しない様に。

意識は無くても照と声をかけ続けていると、

涼「……翔太?ごめん、大丈夫??」

いつの間に起きてきたのか、小走りで部屋に入ってくる涼太。

苦しむ翔太を見た瞬間、その眼はもう潤んでしまって、

自分を攻めちゃってるなって。

翔太が具合悪くなった時、誰よりも思い悩んでしまうのはいつも涼太。

もっと早く気付いてればって、考えちゃうのがテンプレで。

こういう時、涼太まで苦しんでしまうのが本当に心苦しい。