Snow brothers. (ページ29)

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Hikaru

夜中に何か小さい物音が聞こえた気がして、目が覚める。

誰かが寝相悪くて何か落としたんだろ。

ただ一回目が覚めると中々寝付けなくて、暫くゴロゴロしてみたけど眠れる気配が無い。

明日も早いから早く寝たいのに。

まだど深夜で朝まで起きてもいられなさそうな時間。

とりあえず喉が渇いてきたから一旦水を飲みに下のリビングへ。

水を飲んで自分の部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、

何て言うんだろう、虫の知らせ?

何か急に嫌な予感。

ぱっと周りを見ると双子の部屋の前。

大丈夫だとは思うけど、何か嫌な予感が当たってる気もして、

一応確認だけって、様子見に部屋に入った。

.

スマホのライトで照らしながら、真っ暗な双子の部屋に。

涼太は普通にスヤスヤ寝てるし、

翔太も顔色は良くないけど、眠れてはいる?

見た感じ発作起こしてる訳じゃなさそうだし、気のせいだったか。

そう思って部屋から出ようとした時、足に何かがこつんと触れる。

拾い上げると翔太のベッドに置いてあるはずの、俺達の部屋に繋がるコール。

さっきの物音ってこれが落ちた音?

それに気が付くとさっきの嫌な予感が再燃。

落としたって、まさか……

慌ててもう一回翔太の様子を確認すると、確かに発作みたいな荒い呼吸はしてないけど、

胸の上下がいつもより浅くて遅めな気がするし、よく見たら唇も真っ青。

「っ翔太、翔太、分かる?聞こえる??」

やっぱこれ、眠ってるんじゃない。

意識を失ってるんだ。

声かけながら軽く揺すっても返事が無い翔太を見て、直ぐに確信して、

急いでコールを押して、上2人を叩き起こす。

「翔太、苦しかったな。もう大丈夫だから。」

押してから数十秒もすれば、2人ともバタバタ駆けつけてくれる。

普段は寝起き最悪なのにこういう時はすぐ起きてくれるから頼もしい。

辰「翔太、どうした?発作??」

「俺が押した。意識無いっぽい。」

マジかって一瞬で医者の顔になって直ぐに診てくれる辰哉と、

うるさい位でっかい声で翔太に声かける大介。

部屋は一気に緊迫ムードに。

でもこれだけ俺達がバタバタしている音も、

隣で眠る涼太には聞こえてない。

仕方ないことだし、攻める気は全く無いけど、

涼太、後で責任感じちゃうだろうなって。

想像して、心が苦しくなった。