Snow brothers. (ページ27)

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聞こえなかった夜ページ27

Ryota

毎朝、ベッドに置いたスマホの振動を感じて目が覚める。

普通の人にはうるさく聞こえるはずのアラーム音すら、補聴器つけてないと聞こえないから。

朝一番に補聴器をつけて確認するのは、隣からちゃんと呼吸音が聞こえるか。

翔太とは双子だからってずっと同じ部屋で、調子の良い日は隣のベッドで寝てるけど、

寝てる間に急変してたら、助け呼べない位具合悪くなってたら、っていつも心配で、

毎朝ちゃんと息してるか確認しないと、俺の方が不安になる。

ここ最近は調子も良いみたいで、今日もちゃんと胸が上下してて一安心。

顔色も悪くないし、呼吸も規則正しいから学校行けそうで良かった。

本人もすっごい気持ち良さそうに寝てるしね。

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小さい頃、周りはどうしても病気を持って産まれてきた翔太にかかりっきりで、

小さかったけど体は丈夫だった俺は、大人しくて良い子位にしか思われて無かったらしい。

でも音が出るおもちゃに何の反応も示さなかったり、

兄ちゃん達が目の前で話しかけてもキョトンとしてることが多くて、

もしかして聞こえて無いんじゃないかって気づいてした検査で、難聴だって分かった。

でも幸いなことに、補聴器付けてれば日常会話位のことは出来るってなって、

保育園に通い始めた辺りから、補聴器生活に。

小さい頃はからかわれることもあって、嫌だなって思ってたけど、

昔辰兄に眼鏡と同じだから大丈夫!って言われて、それからはあんまり気にしなくなった。

今位の年になったら、そんなことに突っかかってくる人もいないし、

ひそひそ話以外は普通に聞こえるから、生活に不自由は無い。

それでも、補聴器付けて無いと聞こえないって変えられない現実に、

無力感を味わうことも。

自分の生活には問題なくても、

周りからの大切な音に気がつけなかったりする時は、特にね。