Snow brothers. (ページ14)

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Tatsuya

蓮の人生が大きく変わったのは中学2年生の夏。

その日は仕事は休みで、俺は入院していた翔太の病室に涼太と2人でお見舞いに来ていた。

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涼「辰兄、携帯鳴ってるよ??」

「…ん。あれ？家からだ…。照？」

職業柄中々電話に出れないことも多いから、普段は滅多にかかってこないのに。

何だかとてつもなく嫌な予感がして、電話出来る場所に走った。

「もしもし？照？」

照「っ蓮が、蓮が事故ったって!!!」

電話口から聞こえてくる照の叫び声。

思わずフリーズして、一瞬世界から音が消えたみたいで…

焦った声で色々伝えてくれる照の声が、すごく遠く感じる。

"蓮が事故に遭った"

嘘だと信じたい事実が脳に響く。

照もよく分かんねぇけどって連呼してる位状況も怪我の程度も分からないし、

急に頭を殴られたみたいな衝撃は治まらない。

でもとにかく蓮の所に行こうってなって、

運ばれたらしい蓮の学校近くの病院に。

双子には急用ってだけ伝えて、猛ダッシュでタクシーに飛び乗った。

2人ともポカンとしてたけど説明する時間も惜しいし、

怪我の程度も分かんないのに下手に不安にさせちゃうのも可哀想だったから。

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着いた病院で案内された薄暗い待ち合い室。

少しして照と合流して話を聞いたけど、

たまたま通りかかった人が財布の学生証を見て、病院聞いて電話をくれたみたいで、

怪我の程度とかはよく分かってないって。

ただここで待たされて、すぐに会えない以上軽症で済んでないかもしれないって、

そんな嫌なシナリオばっか浮かんで来る。

朝何にも変わり無く、笑顔で自転車乗って部活行ったのに…

人生何が起こるか分からないなんて、頭では理解しているつもりでも、

いざ何かが起こると不安と衝撃で一杯で、

ただただ無事を祈っていた。

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3時間位経って、すっかり夜になった頃。

先生から説明がって、無機質な椅子と机の部屋に通された俺達。

部屋に入ってすぐ、先生はとりあえずって話し出してくれた。

医「一命は取り留めました。今の所命に別状はありません。ただ…」

命が助かった。

そう聞いて安堵したのは一瞬だった。

その後に続いた言葉は、

すぐに俺達を地獄に突き落としたんだ。