Snow brothers. (ページ6)

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Shota

起こしてくれる誰かの声。

ポヤポヤした頭でも涼太の声じゃないことはすぐに分かった。

直ぐに胸に当てられる聴診器の感触と鼻から入ってくる酸素で、多分起こしてくれたのが辰兄だって分かって、

昨日のことを思い出した。

先週からの風邪が中々治りきってくれなくて、ずっと微熱で和室から動けないまま。

階段上るのもしんどくて部屋にも行けずに、そのまま寝てたけど…

「……ハァ、ハァ、ッ…」

夜中に急に心臓がバクバクしてきて、苦しくなった。

生まれつき俺の心臓は上手く動いてくれなくて、急に脈が飛んだり、リズムがおかしくなることはよくあること。

何かあった時の為に、和室と俺の部屋のベットには、兄ちゃん達の部屋に繋がるコールも置いてあるけど、

夜中に起こすほどじゃないなって、胸を抑えて暫く耐えてた時、

辰「…ん、翔太?しんどい…??」

まだギリ寝る前だったらしい、辰兄が気付いてくれた。

直ぐに診てくれて、苦しいなぁって胸擦りながら薬飲ませて、酸素つけてって看病してくれて、

もっと早く言えよなんて言われながら、疲れて寝ちゃったんだっけ。

これ以上酷くなったら病院ねって言われてたけど、起きたら多少マシになってて一安心。

先生のことは嫌いじゃないけど、出来れば入院はしたくないからね。

それでも辰兄は心配してくれてたみたい。

多分そのまま夜通し隣にいてくれたんだろうなって、起きてすぐっぽい布団を見て思った。

.

昔から出来ない事ばっかで弱っちい俺を、皆嫌な顔一つせずに助けてくれる。

今朝だって辰兄はずっと隣にいてくれたし、皆家出る前に声かけてくれて、

照は休みなのに、ゼリー食べさせて薬飲ませてくれて…

翔太は生きてくれてれば良いよって。

皆に助けて貰って今日も生きていられるから、元気なときは反抗もするけどほんとに感謝してる。

何て、弱ってる時にはらしくない事考えたりして。

いい加減治して、早く学校行きてぇなって。

まだ若干息苦しい頭でそんな事を考えながら、又眠りについた。