Snow brothers.5

気遣い屋さんの末っ子へ ページ9

Ren





いつも優しくて、どうでもいいことで一杯笑ってくれる兄ちゃん達との毎日は、


これ以上無い程居心地が良くて楽しいしか無い時間。





だけどたまに、家の中がどうしようも無くぴりぴりして首が詰まる感じがすることがあって、



それは大体翔太君の体調が良くない時。





今だって翔太君一週間位前から体調崩してて、


心臓は大丈夫そうだし入院までする程じゃないみたいだけど、ずっと頭痛くてだるいって寝込んでて学校もお休み。





先生にも様子見て貰ってるみたいだけど、ずっと家で寝てるから兄ちゃん達もどこか気が張ってて、


空気感的に休まらない感じがある。







蓮「翔太君、今日も具合悪い?」



大「うん…あ蓮今日休みか土曜日か。翔太今日頭痛いみたいだから、ちょっときつそうかな。」







部屋から出てきた大介君も心配して溜め息ついてるし、兄ちゃん達皆忙しいみたいで、


ただでさえばたばたしている時期。





本当は少し前まで、年度末の追い込み時期終わったら皆少し空くからお出かけしよっかって言ってたのに、


もうすっかりそれ所じゃ無くなっちゃったんだよね。





仕方がないし誰が悪いわけでもないけど、楽しみにはしてたから少し残念だったなとは思った。






でも忙しく働いてくれてる兄ちゃん達や、体調悪い中頑張ってる翔太君と比べたら、


俺の我慢なんて本当にちっちゃいもの。





そうやって自分に言い聞かせて、でも何とも言えないぴりぴりしてる空気が苦手で、


もういっそ外行っちゃおうかなってスマホを開く。





家にいても首が詰まりそうだし、俺が出来ることも少なくて役に立てることもあんま無いから、


どこにいても別にそんな変わんないかなって。





それ位の適当なノリで目についた奴に連絡して約束して、時間まで又自分の部屋でぼーっとタイム。







でもそろそろ家出ようって丁度準備始めようとした頃、





大「蓮!ごめんちょっと来て!!」





大介君に呼び出されて慌てて翔太君が寝てる部屋に直行。






仕方無いしこういう時は俺に出来ることあるなら協力しなきゃって分かってる反面、


結局このぴりぴり緊張ムードから抜け出せないことを悟って思わずつきかけた溜め息。







勿論こういう呼び出しに嫌々行ってる訳じゃない。






でもどうしてもこの空気が苦手で疲れちゃう気がしたし、


少しずつ溜まった我慢も合わさって、いつの間にか俺の体まで重くなった感じがしていた。

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