Snow brothers.5

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Koji






休みの日もほんまは一緒いてあげられたなと思ってたけど先生とか上司にさすがに休みやって言われて、


起きて家でぼーっとしとったけど、頭に浮かぶんはしょったのことばかり。




今日は起きれたんかな、少し熱下がっとるかな。





色々考えながら病院こっちよな〜って何となく窓の外を見たら空には偶々虹がかかってて、


これは幸せなことが起こるって又急いでカメラを構えた。





この写真も後でしょったに見せてあげんとな。





外には綺麗なものが沢山ある、殺風景な真っ白の病室より全部が輝いて見えたから、

しょったにもきっと伝わるものがある様な気がした。




ずっと同じ風景じゃつまらへんやろうし、もっともっと広い世界があるってこと。


その一部だけでもしょったに教えてあげたくて。




カメラ片手に衝動的に外に出て、良いなと思ったのその一瞬を沢山沢山この手に納めて、


夜になってお見舞い行くのに一緒に、大切に連れてった。








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ベッドの上で変わらずぽやっとしてたしょった。




昨日の夜から一緒にいてくれたラウール曰く、体調はずっと平行線で、


特に良くも悪くもならずに、まだしんどい時間が続いてるらしい。




でも嬉しいこともあったみたいで、お昼涼太君が来てくれたらしく、


冷蔵庫はお見舞いの手作りフルーツゼリーが一杯。




肝心のしょったはお昼寝してて会えへんかったらしいし、まだ一切手着けて無いみたいやけど、


良かったなってふわっと髪の毛撫でたらちょっと笑った気もしたし嬉しかったんやろな。






康「康二もな、しょったに良いもん持ってきてん!今見せたげるからな。」






外の景色なんてここのベッドからは殆ど見えへんし、


きっと目の前のこと、生きることに精一杯で窓の外を眺める余裕も無い毎日。




少しでも気分転換になる様に、撮ってきた写真見せてあげよってしょったの隣に横になって、


カメラ見せたらちょびっと首動かして覗き込んで来てくれて嬉しかった。







康「これな、公園とこにおった猫ちゃん。可愛いやろ?


虹も見れたしな、今日はお天気でほんま良い日やったよ。雨の日も雫綺麗やけどそれは又今度な。」







中でも昨日の夜の写真、一番気に入ってたけどしょったも綺麗って小さい声で言ってくれたから、


仕事帰りでもカメラ持ち歩いてた自分に感謝。





絶景とかじゃない、なんてこと無いいつもの風景も、


しょったにとっては久しぶりやったからな。

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