Snow brothers.5

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Koji





日が明けてふっかさんが帰って来た日。




とは言えふっかさん休み取ってたのもあって、病院おったら看護師さん他の患者さん達に呼び出しされまくってて、

中々しょったの所にずっとは居られへんのよな。




まだ直接は無理やし仕方ないけど、やっぱり兄弟君達にも会えへんしょったのことはずっと気にかかって、


その分一緒にいてあげたいなって思う。






康「しょった汗かいてるから体拭こうな。さっぱりして気持ちええで。」





ラウールと二人で体拭いてもだらっとしててしんどそうにされるがまま口数も殆ど無くなって、


まだ酸素マスクも鼻の栄養も取れへんしょったやけど、少しずつ元気になってるんかな。




汗かき始めたってことは熱も上がり切ったみたいやし、昨日より若干血圧も上がってて、

ゆっくりでも良い方に向かってる感じがしてる。






康「もう少しできっと良くなるからな。しょった元気になって皆に会ったら何したいか考えといてな。」





やりたいこととか又頑張れる理由を見つけられたら、きっともっと良くなるはず。




今のしょったは、ん…って考えてるのかいないのかちっちゃい声でお返事してくれただけやけど、


でもほんまは頑張りやさんで強い子やからきっと大丈夫。




そう信じて、自分に何が出来るか又考え始めてた。









.








休憩中とかもずっと頭の中で考えるのはしょったのこと。




お昼寝しとったけど、まだちゃんと休めてるんかな。




残酷なことに病気に休憩時間は無いから、しょったも他の患者さんも今もずっと闘ってる。




そう考えたらほんまにすごいなって思うし、今も中庭で散歩してる人達とかが見えると、


思い出すのは少し前、まだ今より元気だった頃のしょったのこと。




涼太君とお花見するって一緒に中庭歩いとったけど、


あれからも時間が経って、桜はもう葉桜に。



咲きそうだったって言ってた小さな蕾は、気付いたらもう満開になってた。




長くなってきた隔離期間、しょったはあの花が咲いてるのを見ることも無いんかな。




明日休みやからって夜ラウールと交代して貰った病院からの帰り道でも、


何気無いこの世界を目にすることの出来ないしょったのことが浮かんできて止まらへんかった。




帰り道の橋から見えた静かで澄んだ夜の綺麗な星も月もこの景色全部、しょったにも見せてあげたくて。




煌めいて見えたいつもの夜空に向かって、そっとシャッターを切った。

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