Snow brothers.5

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Koji





あっという間にカーテンの外が明るくなる時間。



しょった起こさへん様に一瞬震えたスマホにぱっと反応してアラーム止めて、瞬間的に目が覚めた。


正直こんなんで起きる子やないから多分大丈夫やねんけど一応な。




モニターに映るまだ少し早目の鼓動、目閉じながら酸素マスクの下ではぁはぁ息してて苦しいんやろうけど、


それでも頑張って生きてる。




今日は少しで良いことあるとええなって願いながら、熱を帯びた額の汗をそっと拭って寝顔眺めてたら、


もうあっという間に患者さんも起きる時間。







康「しょったおはよう。今日いい天気やで、明日にはふっかさんも帰ってくるからな。」







相変わらず起きへんけど、煩そうに眉しかめてるから聞こえてはいるんかな。



まあもう管いれてるからご飯も食べへんし、しょったがゆっくり寝れてるんやったら、


無理して起きてる必要も無いけど、一旦は起こさんとあかんから何度か声をかけ続けてた。







阿「翔太おはようよく眠れた?康二いてくれたからね。」






先生も努めて明るく、いつもよりも一段高い声。



ただ診察する顔は真剣で、病室の空気がどうしても少しぴりっとしていた。






阿「翔太深呼吸。出きる限り息吸ってね。


康二心エコー準備お願い。ここでやろう。」






先生からの空気であんま良くなってへんやろなってことは分かったけど、顔には出さずに。



ただ酸素の数値もエコーの心臓も、医者じゃなくても分かる位明らかなものやった。







阿「ちょっと翔太心臓の浮腫みが酷いね。大分腫れてる。


酸素も改善しないし崩れる前に挿管しようかな…やりたくないけどこれ以上心臓負担かけたく無いし…」








先生も悩んでたけど、数値的には丁度迷うライン位。




まだいつものしょったなら頑張れるはずやけど、万が一昨日以上の発作が起こってしまったら…


いや昨日と同じ位の不整脈でも場合によっては危ないかもしれない位、持たへん可能性も無くはない。





でも自力で呼吸出来て意識ある間は、しょったも怖いやろうし挿管したくないって、


先生の判断でもう少しだけ様子見することに。




しょったにも頑張ろうなって、でもこれ以上長引くなら人工呼吸機って話がされた。





もう少し、後少しだけ。



病気に立ち向かうパワーをしょったにあげられたら変わりそうな気はするんやけど、


俺は何にも出来んくて、申し訳ない気持ちで一杯やった。

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