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Ryohei
翔「ごめん、でも大丈夫だから……」
翔太は酸素マスクして少し体起こせる位だったけど、でも大丈夫って言ってくれて、
いつもみたいにベッドサイドで勉強したりゲームしたりは出来た。
手術は怖いけど、でもきっと涼太と照が治してくれるからって言って、
びびりで怖がりな俺のことも励ましてくれた。
絶対阿部ちゃんは元気になれるからって。
翔太も俺の前の日に手術することになっていたから、
だから俺も、二人で絶対元気になって退院しようって翔太と約束をした。
もうすぐ早咲きの桜が咲き始める。
そんな頃だった。
.
照「点滴変えるね、ちょっとばくばくしてるからゆっくり休んで様子見よう。」
手術3日前のあの日も、いつもと変わらない日。
俺と先生が喋ってたの翔太も調子良かったのか体起こして一緒に喋って、
何話したのか覚えて無い位普通の話してたのに。
照「…っ翔太?翔太どうした?」
先生の声でぱっと翔太の方見たら、
阿「えっ……」
翔「っなんか……くるしぃっ…胸が…ひかっ……ぁっ………」
心臓握り締めてぎゅっとして顔真っ白で、
いつもの発作よりずっとずっと苦しそうな翔太の姿。
そのままぎゅっと痛みに顔を歪めたら、がくっと力が無くなって前に倒れて、
アラーム音がけたたましく鳴ったのも束の間だった。
一瞬固まった照が翔太のベッドに駆けつけたその数秒で、
病室にはピーって音が響き渡っていたんだ。
照「っ翔太心肺停止!舘さん呼んで!早くっ!救急カートも急いで!!」
寝かせた翔太の首を触った先生がすぐにナースコールに向かって叫びながら、
ベッドに足かけて翔太の胸を押し込んでいく。
急すぎて俺は頭が追い付かないまま、
気付いたら舘さんに康二達に沢山の人が病室に入ってきて、ドラマで見る様な世界。
でもその真ん中でぐったり横たわっているのは、
間違いなくさっきまで喋っていた翔太だった。
涼「照!翔太は?」
照「胸が苦しいって言った後急に心停止した……vf出てきた除細動150でチャージして!すぐ蘇生させるよ!」
翔太の周りのカーテンは閉められて様子が見えない中、
聞こえてきたのは離れてっ!って声と、どんって音。
少し向こうで翔太が必死に闘ってるのが分かって、
怖くて怖くて、俺の胸までぎゅっとしてきた。
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作者名：りる | 作成日時：2022年11月27日 21時
