高校生 × 中学生 [J] ページ21
.
コンコン と軽やかな音がして、顔を上げる。
壁に掛かっている時計を見上げると、もう直ぐで16時になる頃だった。
もうそんな時間か、などと思いながら窓へ向かう。
レースのカーテンを開けると、窓の外の様子がよく見える。
学校指定のジャージ姿のじらいちゃんの姿が見えた。
窓を開けると、いつもの台詞がとんできた。
「Aちゃん、勉強教えて〜」
それに笑顔を返し、窓の桟にクッションをひいて座る。
よく見ると、額に汗が浮かんでいた。今日も部活だったのだろう。
この、私に助けを乞うているのはじらいちゃん。まぁそう呼んでるのは自分だけなんだけど。
割と生意気な中学1年。
家が隣で、小さい頃からの仲。一人っ子の私からした弟みたいな存在。
2枚の窓ガラスの片方がギリギリ重なっているため、こうして2人で話すことが多々ある。
最近はじらいちゃんの方から勉強を教えてくれと始まることが殆どだ。
「今日は何〜？」
「英語。ここの問題なんだけどさ…」
.
「ありがとう！提出の部分終わった〜」
「相変わらず頭いいねぇ。一人でも全然できんじゃないの？」
「Aちゃんの教え方が良いからだよ〜」
段々と暗くなってきた。もう直ぐ10月。少し肌寒くなってきた。
「Aちゃん、あと30分くらい大丈夫？」
「え？別に大丈夫だよ」
「じゃあちょっと外出てきてくれる？
寒いから羽織ってきてね〜」
返事も待たずに窓を閉められた。
少し訝しく思いながらも、自分も移動を始める。
.
「あ、来た。
ちょっと走れる？」
「え、うん、走れる」
じゃ、行こ と私の手を引いて走り出した。
流石サッカー部員。足速い。
足がもつれそうになりながら必死でついていく。
じらいちゃんが足を止めた。
そこは近所でも人気のパン屋さんだった。
いい匂いがする。
手を引かれるまま、店内に入った。
「この時間、焼きたてが食べられるの」
2人で焼きたてのパンを買った。
レジのおばちゃんが、私たちを見て言った。
「カップルかい？いいねぇ」
「そんなんじゃないです」
私はそう否定したけど、じらいちゃんを見ると顔を赤くしていた。
否定はしないらしい。
少し、期待していいの、かな？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
γ(プロフ) - 蓬生さん» 気に入って頂けたようで何よりです😌リクエストありがとうございました!! 今後もよろしくお願いします🙇♀ (2022年3月14日 22時) (
レス) id: 4093285c70 (このIDを非表示/違反報告)
蓬生 - γさん» うわ~！！めちゃくちゃ面白かったです！！！！ずっとニヤニヤしたまま何回も読み返しちゃいました笑😆ほんとありがとうございます🙇♀️🙇♀️また見に来ますね！！！ (2022年3月14日 11時) (レス) id: 68d7368f41 (このIDを非表示/違反報告)
γ(プロフ) - 蓬生さん» 分かりました!! 完成まで気長にお待ちください🙇♀ (2022年3月6日 19時) (レス) id: 4093285c70 (このIDを非表示/違反報告)
蓬生 - γさん» 大丈夫です！記入漏れすみません💦 (2022年3月6日 18時) (レス) id: 68d7368f41 (このIDを非表示/違反報告)
γ(プロフ) - 蓬生さん» 了解致しました!! リクエスト完成時、そのお話にてお名前を記載しても大丈夫でしょうか? (2022年3月5日 20時) (レス) id: 4093285c70 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：γ | 作成日時：2022年1月3日 22時
