-温泉旅行は釣り大会?- 4 ページ36
川の主VSA達の闘いは、一進一退の攻防を繰り広げていた。
その時。
川の主の力が弱まったのを確かにA達は感じ取った。
3人は千切れるかのような腕の痛みに耐え、決死の思いで竿を引いた────
「……え?」
貰った……そう思った矢先だった。
まさに3人が同時に竿を引いたそのタイミングで、川の主は一気に潜り込み、彼らをいとも簡単に川の中へ放り投げた!
「があァァァア!!」
「気を付けろ!!!滝壺に落ちるぞ!!!!!」
「南無三ッッ!!」
―――
「ゔ…ごほっ……畜生ッ…!逃した…か!!」
「幸…平……!無事か!」
「う、うん……ただ、浮き輪勢には少し酷な気が…」
どうやら、皆 無事だったようだ。何と、奇跡的に滝壺が深めだったのだ。
もしこの滝壺が浅かったら、全身を強打して無傷では帰れなかったに違いない。
獲物を逃した挙句、全身水浸しになった3人は、トボトボと川の中から上がった。
「いや〜……マジでびしょ濡れだわ…。2人は平気?寒くない?」
黒木場と葉山に声をかけたA。
チラリと彼女を見た2人は、思わず目を逸らした。
「…どうしたの」
ここで、彼女の服装を思い出していただきたい。
何とも場違いなブラウスを着て、釣りをして…水浸しになったA。
薄い生地のブラウスは、透け透けなのだ…。
「自分の姿を鏡で見てみろ…ッ」
「そんなの持ってないよ?」
「察しろ…!」
「そう言われても」
「…てか何で二人して目を合わせてくれないのさ。さっきまであんなに一生懸命に同じ釣竿を引いた仲なのに…」
「「だああああ!!服が透けてんだよ!!!!」」
二人の発言に、Aは数秒の間、静止した。
そして、見る見ると顔を赤くしていく。
「なっ…!!」
どうする事も出来ずに後ろを向いたA。
……暫しの沈黙が続いた。
未だに言葉一つ発さずに後ろを向く彼女に、黒木場はゆっくりと歩み寄っていく。
「…目のやり場困るから、これ着とけ。それに、風邪ひくだろ」
そして、Aの肩に自分の着ていたパーカーを掛けた。
「…ありがとね」
「……どっちにしろずぶ濡れに変わりないけどな」
水を散々に含んだパーカー。
重みとひんやりした感覚に、Aは少しだけ愛おしさが募った。
― ― ―
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大二重@受験生(プロフ) - 鈴切丸さん» リクエスト有難うございます! 斎藤さんですね!了解致しました(`・ω・´)ゝ 話数の都合上、次の章になってしまいますが、全力で書かせていただきますっ! (2017年12月19日 0時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
鈴切丸(プロフ) - 難しいと思うんですが、私は十傑の斎藤さん推しです!もしよければ彼で何か書いていただけないでしょうか?シチュエーションその他諸々は作者様に任せます。お願いします。 (2017年12月18日 23時) (レス) id: 77fb919f3b (このIDを非表示/違反報告)
大二重@受験生(プロフ) - こっちゃんさん» 有難うございます!!ヽ(;▽;)ノ 最後の黒木場くんのシーンは、ひたすら妄想を詰め込みました(笑) 楽しんでいただけましたようで何よりです!! こちらこそ、本当に有難うございました♪(*^▽^*) (2017年12月7日 20時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん - リクエストを書いてくださり、ありがとうございました!スッゴく面白かったです!最後の服を黒木場君が貸してくれるのなんて、ヤバかったです♪(/ω\*) また、おまけもありがとうございます!一人で釣り上げた所が面白かったです!本当にありがとうございました! (2017年12月7日 19時) (レス) id: 4fb2fc8394 (このIDを非表示/違反報告)
大二重@受験生(プロフ) - karnivalhrtさん» コメント有難うございます!! い、一気読み!?それに、お褒めの言葉までいただけてとても嬉しいです! 黒木場くんのシーンは、書いた私の中でもなかなか傑作です(笑)これからも期待に応えられますよう、全力で頑張りますっ!!(b・ω・)b (2017年12月5日 16時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大二重@受験生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2017年9月19日 21時