其の料理人は唐突に 拾陸【食戟のソーマ】

薊「403話目だよ」 ページ6

『今までのシステムは、不条理過ぎた』



『実力主義を口実に、脱落者は完全放棄。料理人にも性格の差異があり、成長するスピードも違うにも拘らずだ。あまりに暴力的だと思わないか？』



『これから調理の授業は全て中枢美食機関の教えを伝える場となる。誰もが等しくその恩恵を享受する。つまり──』









『十傑レベルの技術・アイデア・レシピを、やがてここにいる全員が習得するんだ』





十傑レベルの……ね。







『そこは無益なぶつかり合いのない世界だ』

『不必要な退学！選別！競走！……そこから君達は自由になる』


『いいかい、よく聞いて』



















『君達は、捨て石なんかじゃない』







『遠月の未来を築く重要な戦力だ。僕と一緒に』


『この国の美食を前に進めよう！』








『これから、ここは美食の理想郷になるんだ』



演説は終了した。





……いくら十傑レベルの技術なんて身につこうと、それは、自分の料理じゃあないでしょ？



















──ああ…これは理想郷じゃない！



創造を許される者と、模倣だけを強いられる者。














二つに分かれた世界の間に、理想郷なんて見い出せやしない。













ここは──暗黒郷だ。













― ― ―


こんにちは、大二重です。


マジで本当にどうでもいいのですが、






理想郷はユートピアと読んでください。

暗黒郷はディストピアでお願いします。








何故かと言われますと……

そっちの方がかっこいいからです！←

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