葉「364話目らしいな」 ページ26
「最初は石窯の珍しさに人が集まって……食べたお客さん達の反応が人を呼んで…」
「で、屋台の周りに人だかりが絶えなくなる…」
でも、それは今の環境では難しい。
「ま…目の前にあんな派手な中華研があると同じ様にいかないのは当然かもだよね」
頭の中で、久我先輩が「てへぺろ☆」と言っているのが浮かんだ。
石窯だけじゃインパクト弱いもんなぁ…。
「……あ、それに…」
恵んがお客さんの方を見てポツリと言った。
「胡椒餅って…確かに焼き方は面白くて目をひくけど、実際に誰かが食べてるのを見ないと味をイメージしづらいのかも」
抑、胡椒餅の事を知ってた人じゃないと中身の具も分かんないという点がある。
対して久我先輩の四川料理はどうだろう。
見た瞬間に味が想像できるもんな……
……思い出しただけで涎出てきたわ。
「月饗祭は、審査員が必ず料理を食べてくれる食戟とは違う……」
「なら……お客さんに味を強くイメージしてもらえる品を考える……とか?」
今の恵んの意見か、若しくは…
「あの辛味からお客さんの興味を引き剥せるようなインパクトだね」
そんな料理を出せれば、今の状況から脱却出来るかもしれない……!
―――
「どーしたもんかな…イメージのしやすさと…インパクトで中華研を超えられる……何か…」
中華研は看板メニューの麻婆豆腐を筆頭に、凄い品ばっかりだもんな…
「…あ、そういえばAちゃん、実家で出したマーボー定食を薙切さんに食べてもらったって言ってたよね?薙切さんは何て…?」
……うぐっ…痛い所を突かれてしまった。
「久我先輩の品には絶対勝てないってさ」
恵んは、ガーンと効果音がつく勢いで驚いた。
「だってその麻婆豆腐って城一郎さんが作ったメニューなんだよね?…それを完全に超えてる味だなんて…」
「ん?でもそれはホラ、ゆきひらは──」
私が言いかけた時、偶然にも雲が晴れて月が姿を現した。
どうやらその月は、私に素敵な発見を下さったみたいで。
「……恵ん、悪いけど今日から睡眠時間ちょっと減るかも」
「え…?」
「試したい事があるの」
「ゆきひらの'新しい麻婆豆腐'で、久我先輩の本丸を……討つ!!!」
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大二重@受験生(プロフ) - アイスランドさん» コメント、お気に入り追加有難うございます!!! そう言っていただき嬉しいです!ヽ(;▽;)ノ これからも楽しんでいただけるよう、頑張ります。宜しくお願いします^^* (2017年6月18日 23時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
アイスランド - お気に入りに追加しました!面白いです!更新頑張ってください。応援してます!! (2017年6月18日 23時) (レス) id: 30f60dd605 (このIDを非表示/違反報告)
大二重@受験生(プロフ) - 鈴醐さん» ここコメント有難うございますす!!(汗) ぜぜ全力を尽くして甘い恋をおおお届け致します(((( (2017年6月18日 22時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
鈴醐(プロフ) - 続編楽しみにしてます。……次回は本当に糖度高めですよねー?(´^ω^`) (2017年6月18日 22時) (レス) id: 6c5bc2a353 (このIDを非表示/違反報告)
大二重@受験生(プロフ) - 漆竜さん» コメント有難うございます! とても光栄なお言葉…!!嬉しいです、有難うございます! これからも頑張ります!(( o(`・ω・ ´)o )) (2017年6月18日 12時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大二重@受験生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2017年6月11日 18時