其の料理人は唐突に 拾肆【食戟のソーマ】

恵「358話目だよ……」貴「恵ん…元気だして！打倒、久我先輩！」 ページ20

「どどどどうしようー!!初日分は大赤字確定だべ！」

「Aちゃんのたた退学がかかってるのに…！」


退学がかかっているのは恵もまた然りである。


「いやぁ…初日からいい勝負が出来るとは思ってなかったけど、ここまで売れないとはねぇ〜」


通常運転のAに恵は涙目だ。


「笑ってる場合じゃないよー!!!」


あまりにも余裕そうなAに、何か策があるのではと思った恵。


「さて……よっこらしょ」


彼は、屋台を運び、どこかに行ってしまったAをただ眺めていた。


―――


あ〜〜っ……









俺のバカ!!








どうしてあんな事言ったんだろう…







あんな事とは、1日目終了後……つまり先程の事。


俺はAちんに随分と強く当たってしまった。

本当はそこまで言う気は無かった。だけど、Aちんを前にすると、何だかついつい当たりが強くなってしまう。



俺はAちんが嫌いなワケじゃない。









……けど別に好きとは言ってないから!!!








ごほん。



それなのにあんな態度とって……一体自分は何がしたいんだよ……





これじゃあAちんに嫌われる一方じゃん！






マジで俺のバカ!!!









…明日は、もう少し素直に接してみよう。









この心の奥にある感情に気がつく日が、そう遠くない事を俺はまだ知らない──



―――

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