其の料理人は唐突に 拾肆【食戟のソーマ】

慧「349話目だよ!!」 ページ11

さぁて…舞台は整った。






あの爆発的辛味に、挑戦させてもらいますか!!




「……Aさん。模擬店について念のため確認だけれど…」







「赤字を出したら退学だって知ってるわよね？」






……へ？


―――

衝撃の事実を知って、約数分。

私は、丼研にお邪魔していた。



「赤字を出したら退学！ってのは確かにその通りだが、赤字になるなんて殆ど無いんだよな」


聞くには、中等部の間に模擬店の経験とノウハウを徹底的に叩き込まれるらしい。


「だから、余程ムチャな商売をやらない限り赤字は有り得ねぇ。……例えば」




「強力な競合店がいるって分かってんのにその真っ正面で出店したりしない限りは、な」


「…相変わらず何考えてんだバカやろー!!十傑に挑むどころか退学の危機じゃねぇか!!」


にくみにお叱りを受ける。
でも、まぁ挑んじゃったもんは仕方がない。


「まー…何とかなるでしょ」



「私だって一応、定食屋の娘…商売やってる家に生まれたし」

「説得力ねぇんだよ…あんたの無計画を知ってるからな」



それにしても、丼研は多くの後輩で賑わっている。

私が初めて来た時なんて、小西先輩以外見なかったのに。



「……あのさA。できれば…あんたの店を手伝ってやりたいけど、あたしこいつらの面倒見なきゃいけないから……だから……」


さっきの威勢はなくて、どこか弱々しいにくみ。


「なに言ってんのにくみぃ。丼研頑張れって言ったの私じゃん」


私がそう言えば、にくみは優しい笑顔を見せてくれた。


「…おうっ！でも何か行き詰まったら頼れよなっ」


うん。やっぱ、にくみは笑顔が一番素敵。


「肉魅の言う通りだ！何てったってお前と田所は…」




「我が丼研の名誉部員だからな！」



親指を上にあげた小西先輩。





「…あざす！」




名誉部員……








………そうだっけ？








2人にエールを貰ったところで。






兎に角やるしかない！
今日から早速メニュー作り開始といきますか！

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