貴「324話目ですがな!!!」恵「ど、どうしたの!?」 ページ12
「…初日に作ってやったキッシュだがな」
「…?何の話ですか?」
「ゴボウってのは…欧米人には木の根にしか見えないらしいな」
確かに、海外の人から見たらそう見えるのかもしれない。
美味しいのにね。
……え?画面の前のあなたはゴボウが嫌い?
ハハハ……ご冗談を。
「第二次大戦中、日本の捕虜になってた兵士の食事にゴボウが使われて、『日本人に木の根を食わされた』と……捕虜虐待で国際裁判にまで発展したそうだ」
「マジですか…それは凄い話ですね……」
四宮先輩から言うには、根菜は戦時中の貧しいご飯を思い出させるから、海外では敬遠されていた事もあるらしい。
「そんな食材の事を…むこうでは'忘れられた野菜たち(レギューム・ウーブリエ)'と呼ぶ」
「俺が日本出店を決めたのは、自分の料理の土台…ルーツを再確認するためだ」
「もう一度、自分生まれた国で料理と向き合う」
「今の俺が…三ツ星を獲るためにどうしても必要な事なんだ」
自分の料理の、土台──
自分の、料理──?
今までの自分、そして変わるべきこと……
私に、必要な事──
ふと、閃いた。
『スタジエールの、真の意図』
そう、
それは───
「四宮先輩。今夜…新作コンペやるんですよね」
「ああ」
「私も一品出したいんですけど」
突然の私の発言に、周りの反応は案の定といった感じだった。
でも、私は初日からそのつもりだったけれどね。
「今日まで頭の中に組み上げてきたイメージを、すぐにでも形にしたいんですっ」
「まともな品が出せるのかよ」
「はい」
「……思えば」
四宮先輩は、少しだけ間を空けて話した。
「お前のレシピを味わうのは初めてだな」
言われてみれば。
色々と関わってきたけれど、私の料理の実力を四宮先輩に披露するのは初めてだ。
…早く、私の料理をぶつけたい!!
「いいだろう。……ただし」
「せっかく芽生えた自信がへし折られても知らねぇぜ?」
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大二重@受験生(プロフ) - 雪姫さん» なるほど……いいですね!それも美味しいです(*´q`) ヤンデレはギャップ萌えですね!!(( (2017年5月31日 21時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - ヤンデレ美味しいです。私的には、普段なら見守るタイプの人がタガが外れてヤンデレるのが好きですww (2017年5月31日 21時) (レス) id: 9584fec5a2 (このIDを非表示/違反報告)
大二重@受験生(プロフ) - 雪姫さん» コメント有難うございます!ヽ(;▽;)ノ本当ですか!!雪姫さん同胞です(( ヤンデレ美味しいですよね!w (2017年5月31日 21時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
雪姫(プロフ) - ヤンデレ?大好物ですありがとうございます!!楽しみにしてます! (2017年5月31日 20時) (レス) id: 9584fec5a2 (このIDを非表示/違反報告)
大二重@受験生(プロフ) - Akatsukiさん» コメント有難うございます!! 我慢出来ずに告白させてしまいました!(( さぁ…どうなってしまうのでしょうか……(。-∀-)ニヤリ (2017年5月28日 10時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大二重@受験生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2017年5月21日 19時