trouble.29 宣戦布告。 ページ31
「___ッ」
太宰サンの口から出た冷徹な言葉に対し息を呑む僕サン。
瞳が揺れる。
苦虫を噛み潰したような表情。
…だがこんなにも強く当たると云う事は、矢張り二人は知り合いだったか、と僕サンと太宰サンを他所にぼんやりと考えていると突如自身の氏名が出て来たら驚くものだ。
「其れに__
君よりそこでぼーっと考え事をして居る私の新しい部下である蓮君の方が、よっぽど優秀だよ」
「___はいぃぃ?」
ピンと張り詰めた空気を容赦なく引きちぎった自分。
いや、だって、全くの予想外だ。
新しい部下?初めて聞いたぞ?
真逆、と思い国木田サンの方を首が捻れる程のスピードで向き、『どう云う事ですか』と目で訴える。
然し返って来た応えは無言。
此奴ら、グルか。
「おいお前、名をなんと云う」
国木田サンを睨むのに集中していると、いつの間にか会話を終え、すんごい顔をした僕サンが鋭いナイフの様な形をした羅生門を自分の方に向けていた。
全然気付かなかった、…何時もは気付く筈だが。
質問に答えずに自分の集中力を褒めて上げたい処だったが僕サンがナイフっぽいものの本数を増やして来たので仕方無く名乗る事にした。
「…自分は…柊、蓮…これ以上話す必要無いよね」
別に関係無いんだからさァ、
そう呟くと、向こうは舌打ちを盛大に鳴らした。
「__太宰さん、今回は引きましょう
ですが次から我々ポートマフィアが引くことはありません」
此奴、太宰サンになると口調変わってないか?
好きなのか?
「嗚呼、だが武装探偵社も__
___譲れないものがある」
太宰サンが云うと、僕サンはフッ、と微かに嘲笑した。
すると遠くからパトカーの音が聞こえる。
恐らく近隣住民が通報したのだろう。
また舌打ちを鳴らし、僕サンは外套を翻して暗闇へと帰って行く。
_____柊蓮、次はお前の首を刈り取る
宣戦布告か、初対面だったのに。
でもまぁ__
「____望むところだ」
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梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時