trouble.28 希望と絶望。 ページ30
「羅生門ッ!」
声を張り上げると同時に、着衣していた外套がさっきの様に形を変えて自分の方へ襲い掛かって来る。
「よっ、と」
羅生門と呼ばれる龍の着地点を予想し、体をしねらせてバク転をしつつ避ける。
然し回避するのは良いが、攻撃はまだ出来ていない。
何とかしなければ、と思うが、龍が邪魔で直接攻撃が出来ないのだ。
…と云うか龍にも触られない。
「やべーな、」
そして向こう側は全然疲れている様子は見られない。
寧ろ、段々と攻撃力が高くなっている気がする。
必死に避けながらも、余裕の表情を貼り付けているとそれを見た僕サンは相当イラついた様だ。
今迄とは違った攻撃体制をとっている。
「羅生門ッッ!!」
外套が巨大な龍となり自分の体を喰いちぎる__
__事は出来なかった。
「そこまでにし給え」
突如何処からか出て来た太宰サンが生身で行くと確実に直ぐに死んでしまうであろう龍にスっ、と手を伸ばす。
「ッ!太宰サンッ!?」
反射で思わず声を漏らす。
だって__自分でも歯が立たなかったと云うのに。
すると流石に自分でも受け入れ難いことが目の前で起こったのである。
太宰サンが龍に手を触れるとパァァァ、と云う音と眩しい光と共に龍が硝子が割れるかの如く消え去ったのだ。
龍が___消えた、
「…ねェ芥川君。
君の戦闘力はあの頃より高くなったと思うよ」
自分が龍が消えたことに関して唖然として居ると、太宰サンはペタリと座り込んだ僕サンを見下し冷たい口調で囁くように話しかける。
だが戦闘力が高くなった、と聞くと俯いていた顔を上げ、瞳に希望の光が指す。
「太宰さん、ならば僕を___」
「でもね」
言葉に続きがあると分かると、希望から絶望へと変わる瞳。
「戦闘力があるから良いって云うモノじゃあ無いんだ、
そんなのだからずっと私に認めさせることが出来ないのだよ」
trouble.29 宣戦布告。→←trouble.27 挑発。
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梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時