trouble.22 尋問的な。 ページ24
さざ波の音が心地良く聞こえる公園付近に、自分は武装探偵社二人組に連行されて居た。太宰サンへの依頼に何故か来いと云われたのである。
勿論、同意はして居ない。
寧ろ拒否ッていたぐらいだ。
すると少し痩せているおじさんが一人、待って居たと云わんばかりの顔をして此方にのそのそと駆け寄って来る。
「嗚呼、武装探偵社の、方々、ですか」
少し動悸がするようで、息切れをして居る。
そんなに急がなくても良いのでは?と思った事は云わないでおこう。…それ程、緊急の仕事なのだろうか。
国木田サンも自分と同じ事を思った様で、大丈夫ですか、と声を掛けている。
こう云う時は大体大丈夫じゃ無くても大丈夫、ッて云うんだよなあ、と思いつつおじさんを見る。
「…そう云えば太宰サン、今から何するんですか」
太宰サンは相変わらず仕事にも関わらずヘラヘラと笑っている。
依頼人の対応も勿論国木田サンだ。
「ありゃ?私蓮君に云わなかったっけ?」
「耳にしてたら聞いてませんよ」
自分にしては正論の様な事をズバリと云うと、太宰サンは楽しそうにうふふ、と笑っていた。怖い。何だか。
「今日はねぇ、護衛さ」
「は?」
こう反応してしまうのは仕方ないだろう。
だって、こんなところまで連行して仕舞いには護衛をしろ、みたいな感じで告げるのだから。
人使いにも程と云うものがある。
「まあまあ、そんな怒らない怒らない。
…ただ今日の依頼は少なくとも、と云うか確実に唯の護衛じゃ無いよ。だから君に手伝って貰おうと思ったんだ」
ヘラヘラとした笑みから一転、真剣な顔付きになると、振り返り国木田サンと話していた依頼人おじさんの方へ向かっていった。
「ねぇ国木田君。君は未だ気付いていないのだろう?」
少しだけ、依頼人おじさんの表情に焦りが見える。
其れと対に、国木田サンは少し戸惑っている。
「は?どう云う事だ」
ニコぉ、と太宰サンが妖艶に微笑し、依頼人おじさんに視線を送る。
「どう云う事なのかは、本人から聞くのが一番良い方法だよ。
ーーそろそろ、白状したら?」
trouble.23 焦燥。→←trouble.21 質問時間。
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梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時