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コンコンコン。
太宰「失礼します、太宰です。
華瀬の事について、報告に参りました」
返答がない。
太宰さんはまた小さく溜息をつき、大きな、そして頑丈そうなドアを開いた。
私はまだ横抱きされて居て動けなく、太宰さんに身を寄せて居たので、同時に執務室に入った。
私は失礼ながら目を疑ってしまった。
何故ならーーーー
何時もエリスさんを追いかけて居るのに、真面目に執務を行なっていて、集中して居たから。
太宰さんも少し驚いた様だ。
太宰「…首領。」
森「……嗚呼、太宰君か。
Aちゃんを抱えて、…若しかして、」
太宰「そうです。矢張り華瀬は異能力を所持していました」
森さんは不気味な薄笑いを浮かべた。
少し怖い…
森「一体どんな異能力だい?」
太宰「時間操作です。あらゆる物の時間を操作できる様で、自身の傷も時間を巻き戻して元通りに成るのでーー訓練し、使いこなせば他人の傷も直せるかと。
華瀬自身、異能力を所持して居るのを自覚していなかった様で、使用した後は体が鈍る様です」
フム…と森さんは考える様に机の上に肘をつき指を絡ませる。
森「発動条件などは有るのかい?」
太宰「それが……「Aーーー!!」エリス嬢⁈」
エリスさんが何処からか飛び出して来た。
雰囲気ぶち壊しである。
エリス「A!来てくれたのね!さあ、此方で一緒にケェキ食べましょう!」
エリスさんは満面の笑みを浮かべ、私を降ろす様太宰さんを促す。
すると太宰さんは私を降ろした。大分体も怠くなくなった様で、楽になった。
『分かりました、エリスさん。私もケェキは大好きです』
エリス「エリスさん、じゃなくてエリス!堅苦しいのも嫌よ、敬語は辞めて!」
『…エ、エリス…分かった』
私は顔に笑みを浮かべる。
…何処からかシャッター音が聞こえた。
森「はぁ…エリスちゃんも可愛いけど、Aちゃんもまた違う可愛さがあるね…!
Aちゃん!今度エリスちゃんとお揃いのドレスを着てくれたまえ!!」
エリス「…リンタロウ、キモい。…けど、Aと一緒のドレスなら着てあげても良いわ」
『…森さん…分かりました』
森「森さん…⁈Aちゃん、私の事はリンタロウと呼んでくれ給え!」
『…リン、タロウ…さん。流石に呼び捨ては気が引けます』
何だか云っているうちに恥ずかしくなり、下を向く。
森「…Aちゃん!!そんなところも可愛いよ!!!」
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織田作之助
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作者名:梓 | 作成日時:2018年10月14日 20時