帰る場所【降谷零】

拍子抜け ページ34

ー拍子抜けー









女性刑事と男性刑事は赤のRX−７
男性店員と少年は白のRX−７に乗って
米花ホテルに向かっていた








1台に乗り合わせていくこともできたが
途中で何かもしもの事があった場合
全員が足止めされてしまう事は
避けなければならないと念には念をとの対策だった。









パソコンは少年が預かり逐一変わった様子はないか
確認をし何か新たなことが解った場合は
男性刑事に連絡を入れることになっている。









「ねぇ、安室さん」

少年は2人きりになれた今しかチャンスはないと思い彼に引っかかっていたことの
答え合わせをしようとしていた。









「何かわかったのかな、コナン君」

彼は運転しながら答えた









「Aさんって安室さんの彼女？」

突拍子もない少年の質問に彼は少し驚いた顔をした








　
「どうしてそう思うのかな」

彼は疑問を口にした







「香水だよ、安室さんが女性の香水が移ったって言っていたあの日、Aさんに会っていたんでしょ？
あの日の安室さんも金木犀の香りがしたんだ。」


少年は探偵団の3人が話していた事で確信をしたのか自信満々に話した









「もしそうだったとして、どうして僕たちが恋人同士になるのかな。」

彼は興味深そうにそう言った









「香水はただ一緒にいるだけじゃ匂いが移ることはないし、もし移ってもすぐに消えてしまうからだよ。

あの日安室さんはお昼の少し前にポアロに来た。しかも少し慌ててという事は直前までAさんと一緒にいたと考えられる。

安室さんがAさんの家にいたかAさんが安室さんの家にいんじゃないかなって。

匂いが移るくらいだから、Aさんが安室さんに抱き着きでもしないと香りは移らないし。

そんな関係だってことは恋人関係なのかなと思ったんだ。」


少年は運転している彼の横顔を見ながら話した






「さすがプライベートアイだね」

彼は少し少年を揶揄うようにそう言った

「でも、半分正解半分不正解ってところかな。

抱き着いてきたのは不可抗力かな、当然僕と彼女は恋人でも何でもないよ。


ただの上司と部下だ。


それに、前にも言ったと思うけれど僕の恋人と命に代えても守らなきゃいけないものはただ一つだけだよ。」







そうまっすぐ前を見て言う彼を見て
少年は拍子抜けした呆れた顔で笑ってみせた。

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