帰る場所【降谷零】

嫌な予感 ページ27

ー嫌な予感ー









「佐藤刑事何してるの？」





少年は物陰に隠れて、いかにも怪しい装いで
男性店員しかいないポアロの店内を
盗み見ている女性に後ろから声をかけた。








「コナン君！」
　









驚きの声を上げた女性は、


ばつが悪そうに
変装のためにしていたマスクとサングラスを外した。








「えっとこれはその」



女性が何と言い訳をしようか、

少年の顔色をうかがいながら言葉を選んでいると







「高木刑事来たよ」


少年がそう言った


女性は少年のその言葉を聞いて、
すぐさま少年からポアロへ入った男性に視線を移した









「高木刑事が浮気してるんじゃないかって、心配になって見に来たんでしょ」



少年は少し呆れたような口調でそう言った





女性刑事はまた
ばつの悪そうな顔をして笑ってみせた。







そのまま少年と女性刑事は
ポアロの店内の様子を見ていると、
女性刑事の下に一通の電話が来た。









携帯の画面をみると女性は怪訝そうな顔をし、
いつもより慎重に電話に出た







「はい、もしもし、、、」








大抵この女性刑事が電話に出るとき
自分の苗字を名乗ると知っていた少年は、

何かただ事ではないその雰囲気に
嫌な予感がしていた。









少年から離れて電話をしていた女性刑事は
電話を終えると

何やら携帯を操作しながら
不安の表情を浮かべて少年の下に戻ってきた









「佐藤刑事何かあったの？」




少年はすかさず女性刑事に事の次第を訪ねた。





「それが非通知の妙な電話で、今からメールを送るからそれを見ろって。」



そう言ってメールを確認しようと
女性刑事は携帯を操作していた。









件のメールを確認したのか
女性刑事は血相を変えて
少年に何も言わずポアロへ飛び込んでいった。









引っかかっていた事の確認は後回しだと少年は
その様子にやはりただ事ではないことが起きていると









女性刑事の後ろを追いかけ店内へ駆け込んだ。

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