第４話:忘れられない過去 ページ31
「さっき廊下で至さんと会ったんだけど、Aちゃんが元気ないって心配してて。俺じゃ力になれないだろうから、話聞いてあげてって言われたの。」
『至さんが…？』
てっきり大事なゲームの時間を削られた上に、聞きたくもないため息を聞かされて機嫌を悪くさせてしまったと思ったのに。心配してくれてたのかな…。
「あ、あとなんか単発？でSSRがきたから、怒ってないよって伝言も。」
『そ、それは良かった…。』
前言撤回。やっぱり至さんは至さんでした。
「それでAちゃん、何かあった？…やっぱりシンデレラのことかな？」
いづみさんは心配そうな顔で見つめてきた。
そして私が今一番抱えている悩みをあててしまうあたり、さすがだと思った。
どうしようか迷った。でもいづみさんになら...そう思って私は話すことにした。
誰にも話せなかった過去のこと―――。
『いづみさん、あのね…』
あれは私が中学生の頃だった。
小学生の時に見たいづみさんの演技に憧れて、中学では演劇部に入った。
私が行っていた学校は演劇部が有名なところだった。そのため活動内容もそれなりにハードで、指導も厳しかった。
何回も辞めたくなったし、逃げ出したくなった。
それでも『あの時見た、花が満開に咲き誇ったような演技を私もしたい』そんな夢を叶えたくて、必死にくらいついた。
そして、入部して初めてのオーディションが行われた。
オーディション内容は1人で即興劇をやる、というもの。
審査員には顧問の先生だけでなく、外部から指導の先生が来ていた。
終わったあと、なんだか自分の中ではやりきれた気がしていた。今までで一番の芝居が出来たんじゃないかと。
...しかし、返された評価は絶望的なものだった。
"あなたには華がない"
"そもそも花を咲かせるための種が埋まっていないから、水を与えるだけ無駄"
"あなた自身にだけじゃなく、それだと周りの人の演技までダメにしてしまう"
�爐泙襪如�毒草のよう―――"
その言葉を聞いた瞬間、私の中で何かが崩れ落ちた。
それから間もなくして演劇部を退部し、芝居からも目を遠ざけるようになった。
『…これが芝居をしたくなくなった原因なんだ。ごめんね、いづみさん。がっかりさせちゃったよね…。』
「何言ってんの！そんなことないよ。苦しかったよね…話してくれて、ありがとう。」
いづみさんはそう言って優しく微笑みかけてくれた。
to be continued...
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ささき - とっても良かったです！！！！ (2019年2月23日 4時) (
レス) id: 1e1a117a8f (このIDを非表示/違反報告)
朝霧ゆら(プロフ) - cocoさん» 全然大丈夫ですよ！！更新ふぁいとです(*^^*) (2017年9月6日 16時) (レス) id: f272f35116 (このIDを非表示/違反報告)
coco(プロフ) - 朝霧ゆらさん» すいません！まだ返信の仕方がよく分かっていなくて、ちゃんと返せていませんでした(TT)前のコメントにも載せましたが、コメントと同時に温かいお言葉本当に嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2017年9月6日 8時) (レス) id: 1d170c4237 (このIDを非表示/違反報告)
coco(プロフ) - ホイップなクリームさん» わあああとても嬉しいです(TT)真澄くん、至さん推しなので今回2人の話を作ってみました！更新遅くなるかもですが頑張ります！これからもよろしくお願いします^ ^ (2017年9月6日 8時) (レス) id: 1d170c4237 (このIDを非表示/違反報告)
ホイップなクリーム - 真澄君推しの私には…ホント俺得です///至さんも好きなので最っ高です！！これからも更新頑張ってくださいヽ(*´∀｀)ノ応援してます(｀・ω・´) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 9fe09aed16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：coco | 作成日時：2017年7月20日 23時
