第3話:自業自得 ページ30
「ふーん、俺も見に行こうかな。土日にやるんだったら、会社も休みだし。」
『ええ、なんで至さんまで…!』
「そりゃあ俺の大事な教え子の晴れ舞台なんだし。見るに決まってるでしょ?」
至さんは眩しいほどの笑顔を向けてきた。
きっと私がシンデレラ役、真澄くんが王子役というのを聞いて面白がっているに違いない。
――――――。
そして本日もやってきましたカテキョの時間。
一週間がとても早く感じ、毎日のようにここに来ているのではないかと錯覚するほど。
『はあぁ...。』
「…ちょっと、いい加減そのため息やめてくれない?せっかく楽しいゲームの時間なのに、モチベ下がる。」
『あ、すいません。』
呼吸をするようにため息をついてしまっていたらしい。
至さんに鋭い目つきで睨まれてしまった。
「あとさ、さっきから全然手が動いてないみたいだけど。」
ニョキっと私の隣から顔を出し、問題集を覗き込まれた。
『すいません…。』
「その状態でやっても頭に入らないだろうし、今日はもう戻ったら?」
確かに、今日はいつもより集中力が欠けてしまっていた。
その原因はほかでもなく、シンデレラ役を任されたこと。
自業自得ではあるものの、やはり自分が舞台に立つことを考えると胃が痛んだ。
『……そうですね。今日は頭を冷やすことにします。』
「ん、おつー。」
至さんの言うとおり、このままやっていても意味がないだろうし、何よりいつも以上に迷惑をかけてしまっている。
お言葉に甘えて部屋へと戻ることにした。
お風呂にまだ入っていなかったので、準備をして浴場へ向かう。
湯船に浸かると、疲れがとれていき、心も落ち着いてきた。
「Aちゃん、いる?」
ぼーっとしていたら、突然浴場のドア越しに声をかけられた。この声はいづみさんだ。
『うん、いるよ。』
「…私も一緒に入っていいかな?」
『全然大丈夫だよ。』
返事をすると、いづみさんは「おじゃましまーす」と入ってきて、湯船に浸かっている私の隣に腰を下ろした。
「ちょっとAちゃんとお話したくて、来ちゃった。」
『…お話?』
談話室でもなく、自室でもなく、わざわざここに来て話したいこと…何か深刻な話かな?と不安な気持ちでいづみさんの顔を見た。
to be continued...
495人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ささき - とっても良かったです!!!! (2019年2月23日 4時) (レス) id: 1e1a117a8f (このIDを非表示/違反報告)
朝霧ゆら(プロフ) - cocoさん» 全然大丈夫ですよ!!更新ふぁいとです(*^^*) (2017年9月6日 16時) (レス) id: f272f35116 (このIDを非表示/違反報告)
coco(プロフ) - 朝霧ゆらさん» すいません!まだ返信の仕方がよく分かっていなくて、ちゃんと返せていませんでした(TT)前のコメントにも載せましたが、コメントと同時に温かいお言葉本当に嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年9月6日 8時) (レス) id: 1d170c4237 (このIDを非表示/違反報告)
coco(プロフ) - ホイップなクリームさん» わあああとても嬉しいです(TT)真澄くん、至さん推しなので今回2人の話を作ってみました!更新遅くなるかもですが頑張ります!これからもよろしくお願いします^ ^ (2017年9月6日 8時) (レス) id: 1d170c4237 (このIDを非表示/違反報告)
ホイップなクリーム - 真澄君推しの私には…ホント俺得です///至さんも好きなので最っ高です!!これからも更新頑張ってくださいヽ(*´∀`)ノ応援してます(`・ω・´) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 9fe09aed16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:coco | 作成日時:2017年7月20日 23時