第１２話：恐怖の壁ドン ページ22
「はい、これプレゼント。」
部屋に入るなり、至さんから大きな紙袋を手渡された。
ズッシリと重みのあるその正体は、数種類の分厚い問題集やら参考書だった。
目の前にいる至さんを見上げると、顔全体で「やれ」と言われている気がした。
『あ、ありがとうございます...。』
この量は鬼だな...と少し思ったが、カテキョをやってもらっているわけだし、これが普通なのだろう。
ただ担当の先生がゲーマーなだけで...。
「待った。どこ行く気？」
本を受け取り、自室に戻ろうとしたら、止められてしまった。
というか、この状況…。
私の後ろには壁、サイドは手で塞がれ、目の前には至さんの王子様スマイルがあり、ナチュラルに壁ドンをされている形になっていた。
よく胸キュンのシチュエーションとかで使われているが、今この状況では恐怖でしかなかった。
『え、いや、自分の部屋でやろうかと...。』
「は？さっきサボってたばっかでしょ。俺が監視してるからここでやって。」
恐ろしい...。その一言につきる。
「あのさあ。この際だから言うけど、さっきAが紬先生と話してたせいでガチャが散々だったんだよね。本当詫び石欲しいぐらいなんだけど。ねえ、だから責任とってくれない？」
物凄い早口なのと、聞いたことのない低音ボイスで、一層恐怖度が増した気がした。
どうやら帰宅後にやったガチャの引きがとてつもなく悪かったらしい。
しかもその原因が私にあったらしいのだが、なんだろうこの理不尽きわまりない感じは…。
しかし今この状況では口答えできるはずもないわけで。
『すいません…どうしたらよいでしょうか。』
「いいって言うまでその問題集を進めること。ちな、俺はゲームするから声かけないでね♪」
『はあ…。』
勉強中に先生に質問するなって、カテキョの意味があるのだろうか…と思ったが、言われた通り渋々と問題を解き始めることにした。
至さんはというと、さっさとOFFモードの格好に着替え、私の隣に座り早速ゲームを始めていた。
ーーー結果、私は暴言を吐きながらゲームをする至さんの隣で、ひたすら勉強するという地獄のような時を過ごす羽目になったのだった。
それから数時間が経ち、いづみさんから「夕飯できましたよー！」と声をかけてもらったおかげで、やっとのこと解放された。
to be cotinued...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 495人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ささき - とっても良かったです！！！！ (2019年2月23日 4時) (
レス) id: 1e1a117a8f (このIDを非表示/違反報告)
朝霧ゆら(プロフ) - cocoさん» 全然大丈夫ですよ！！更新ふぁいとです(*^^*) (2017年9月6日 16時) (レス) id: f272f35116 (このIDを非表示/違反報告)
coco(プロフ) - 朝霧ゆらさん» すいません！まだ返信の仕方がよく分かっていなくて、ちゃんと返せていませんでした(TT)前のコメントにも載せましたが、コメントと同時に温かいお言葉本当に嬉しいです！これからもよろしくお願いします！ (2017年9月6日 8時) (レス) id: 1d170c4237 (このIDを非表示/違反報告)
coco(プロフ) - ホイップなクリームさん» わあああとても嬉しいです(TT)真澄くん、至さん推しなので今回2人の話を作ってみました！更新遅くなるかもですが頑張ります！これからもよろしくお願いします^ ^ (2017年9月6日 8時) (レス) id: 1d170c4237 (このIDを非表示/違反報告)
ホイップなクリーム - 真澄君推しの私には…ホント俺得です///至さんも好きなので最っ高です！！これからも更新頑張ってくださいヽ(*´∀｀)ノ応援してます(｀・ω・´) (2017年9月6日 3時) (レス) id: 9fe09aed16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：coco | 作成日時：2017年7月20日 23時
